旅籠屋の魂
旅籠屋というホテルをご存知でしょうか。ロードサイドにあるアメリカのMOTELのような宿で、日本全国に50店舗以上あります。
この宿にこの前初めて泊まって、非常に高い志をビンビンに感じたので紹介したいと思います。
日本国内にお宿はいろいろあると思いますが、旅籠屋がいいなと思ったのは、志です。
紹介パンフレットはこんな文章から始まります。ちょっと読んでください。
「気兼ねなく、好きな時に好きなところに行ける。当たり前のことのようですが、今世界中でこんな自由に恵まれた人々がどれだけいるのでしょう。
〜中略〜
長い長い歴史の中で、無数の人たちが憧れ、願い、ようやく手にした夢のような時代と場所に私たちは生きています。
〜中略〜
多くの人が分け隔てなく気軽に泊まれること、そして、いろいろな個性や違いを受け入れ、少しずつ寛容になることが自由を支えているのだということ。
〜中略〜
あれこれの特徴はありませんが、それが自由に旅を楽しんでいただくための特長だと信じています。どうぞ気兼ねなく、好きな時に好きな所に。」
ううむ。練りに練られたことがわかる文章です。これがパンフの一番初めに書かれています。この文章を読んで一気に好きになってしまいました。
志をいうだけではなく、実際に泊まり心地が良いのです。
全店舗でほぼ部屋のサイズは同一。40平米程度となっており、結構広い印象。クイーンサイズのベッドが二つあり、エクストラベッドも入れることができます。
スリッパや寝間着などはなく、必要最低限のものだけがあり、必要なものはお金を払って追加するという構造。今で言えばLCCと同じ。
朝食はパンとコーヒー。ラウンジのような設備があり、ここでも食べられるし、部屋に持って帰っても食べられます。
ここに各店舗(宿)ごとのパンフレットがおいてあるんですが、このパンフレットがすごくいい。周りにある食事ができる店や観光地などが事細かに書かれていて、非常に参考になります。正直この情報、集めるのはかなり大変なんじゃないかというレベルです。実際に食べていないとここまで書けないなというレベルです。読んでいるだけでも楽しくなります。
コーヒーは無料。クロワッサンは焼きたてで結構美味しいです。これで十分、という朝食ですよ。
すごくいいなと思ったのは、この宿の管理の人の選ばれ方。
ほぼほぼ50代以上の住み込みの夫婦もしくはLGBTのパートナーで希望すれば70歳まで雇用されるそうです。本部からは二人への報酬と住居が確保されます。休みについては管理代行者に月に1週間から10日程度任せる制度が設定され、休日もきちんとあるようです。
人生100年時代において、高齢者の雇用は課題だと思いますが、この宿は夫婦二人で管理しきれる規模に宿の規模を抑えるとしており、住居と報酬と休日を確保しながら無理のない仕事内容となっているのではないでしょうか。
私はこの考え方に結構惹かれます。働き方としても夫婦で仕事するっていうのはかなり理にかなっているというか、いろいろなリスクの低減になるなと感じます。
もうひとつ、どんな人でも受け入れたいということで全館禁煙にしていなかったりするところです。私はタバコは吸わなくなって久しいですが、そういう社会的なマイノリティ(昔はマジョリティですが)を差別することなく、受け入れるという点でとても評価したいです。
ペットについても同室で宿泊可能です。こちらについてもこんな文章がパンフレットに載っていてとても感銘を受けました。
「いつも家族同様に暮らしているペットと一緒に旅行したいと考えるのは自然なこと、という主旨から
「ファミリーロッジ旅籠屋」では、創業時より、ペット連れのご宿泊を受け入れてまいりました。
ペットを特別視せず自然に受け入れたいというのが主旨であり、同伴可を積極的にPRしているのでも「売り」にしているのでもございません。当然、大部分のお客様はペット同伴ではありませんし、中には批判的な方もいらっしゃいます。常識的なマナーとして、他のお客様へのご配慮をお願いいたします。
同様の主旨から、ペット連れでのご予約は、各店舗とも2~3室に限らせていただいております。宿泊状況で満室表示がない場合もお断りすることがございますが、ご容赦ください。」
自由とそれを得るための厳しさが同居した良い文章だと感じます。
現在全国に約70店舗あるとのこと。
宗教色もなく、経営者の思想の偏りもなく、ホテルチェーンとして稀有な存在だと思います。今後も積極的に利用していきたいですね。
Sauna Labやばい
名古屋はサウナ文化レベルが非常に高い。何と言っても名古屋にある老舗サウナ、ウェルビーは名古屋のサウナ文化の牽引者。そんなウェルビーが世に放つ、フィンランドスタイルのサウナがSauna Lab。
そこはほぼフィンランド。ビルの8階にフィンランド。静寂と快楽が存在する空間。
セルフロウリュ出来るサウナ室は清潔で心地よい匂いに包まれております。
しかも店員の方のホスピタリティがほぼフィンランド。(行ったことないけど、北欧の人たちはおしゃべりは少ないけど、心温かそう)
さらに今まではどちらかというと男性ばかりが対象だったサウナに関して、女性への啓蒙活動を行う最先鋒施設。控えめに行って日本における最先端サウナにしてもっとも美しいフィンランドスタイルのサウナではないでしょうか。
池田 晶紀さんのサウナ写真がお出迎え。買えます。これめっちゃプリント綺麗です。
西日が差し込むレストラン、ラウンジエリア。
ロフトサウナ部分。なんなんだろうこの空間。
マウンテンサウナ。まさにフィンランド。もちろんセルフロウリュ出来ますし、寝れます。最高か。匂いも最高。
ロフト、なのでロフト上から。ロフト上には寝れるスペースがあります。
サウナの隣の整いスペース。この美しさ。ここで飲み物飲みながらのんびりするの、最高。
ロフトサウナの一階部分。
綺麗なロウリュ用のバケツと柄杓。二階はもっと面白い柄杓があります。
ここでもロウリュ。じわー〜っといい蒸気が出ます。私の好きなレモングラスのアロマでした。
ビフィタ。白樺の若葉。これでサウナで体をぶっ叩くとめっちゃ気持ち良いのです。
サウナハットもバッチリかわいい。飲み物飲み放題。
行った時はほぼ貸し切りだったこともあり、
もう、ね、天国とはここですよ。
ウェルビー栄には2度の水風呂もありますし、名古屋のサウナ、ホント最高。
5月なのに暑いという今を
なんとなく湿度が低いのに気温は30度くらいっていう気候が一番好きで。それってヨーロッパの地中海気候に近くて。日本でもそういう時ないかなって思ったらちょうど今でした。
5月なのに暑い!と言われますが、自分はこの気候結構好きです。いつまでもこのまま行って欲しいなと思いますが、そうもいかないのでしょう。
サウナについては日々理想的なサウナ施設を探求していますが、正直自分で始めた方がいいんじゃないかという事を考え始めています。で、きっと同じ事を他の人がちょっと早くやっちゃう、というパターン。きっとあと5年くらい、サウナブームは上がり調子で続いていくんじゃないかなと思ってて。
令和一年の今、言えるのはサウナはもっと個とかミニマムな方向に向かうだろうという事。
今主流のちょっと前からある施設の特徴って、浴槽のスペースが大きいので、サウナメインで正直風呂はいらないという大半のサウナ好きに対応出来ていない。
もちろんそうした大規模な施設は幅広い人向けにそのまま残り、これから増えていくのは浴槽は出来るだけ少なくして、サウナと水風呂と外気浴の3点セットのみに注力した施設がすごい勢いでビルのワンフロアのみで増える。
今雨後の筍のように増えている24時間フィットネスの次はサウナだと思う。となると外気浴をどう処理するかで施設の優劣が決まってくる。
あとサウナの自由化は進んでいくと思う。今大半のサウナは雑誌持ち込み飲み物持ち込み不可だけど、きっとそこも自由になっていくと思う。
流石にスマホはどうかと思うけど、残念ながら今の人たちの欲求としてはあるので。
みんなで同じテレビを見るサウナが懐かしいね、っていう時代は来ると思う。
そしてもっと原理主義的なフィンランドに立ち返った施設が東京にも出来て、そこがポイントになって全国的なブームになると思う。今サウナは完全に名古屋や大阪や熊本に東京は負けているので、それをひっくり返そうという施設が出てくると思う。キーワードは女性向け。東京の東側に男性専用サウナは多くあるけど、やっぱりそれは時代にはそぐわないと思うので。多分SKYSpaヨコハマの東京版のような、あれより先に行く施設がいつできるかでブームの発火点がわかると思う。
そして静岡のしきじのような伝説のようなサウナが各地で発掘されて、聖地化していってしまう流れもあると思う。例えば埼玉のひろいサウナとか。
多様性が生まれて今の時代にあったものにサウナがブラッシュアップされていく流れになることはもう止められない。今の感覚でサウナを楽しめるのもそんなに長くない気がする。
そんなサウナの将来像を見据えながら、単純にサウナにはいいことしかないので、よりよく増えていって欲しいと願う。
春ですねえ
あんなに寒かった日々も忘れ去り、すでに夏の足音が聞こえてきそうな陽気。
日本に帰ってきて3年半。早いもので4回目の春を迎えておりますが、年々冬になると春が待ち遠しくなっているような、そんな気持ちもあります。冬も楽しいんですけどね。
春の光って冬の光とどう違うんだろう。同じ時間でも太陽の位置が違うから、ということももちろんあるし、空気中のチリとかの違いももちろんあるだろうし。
ちょっと前まで満開だった桜も葉をいっぱいに広げて春を受け止めているようです。桜っていきなり花が咲いてから葉っぱを出すってなんか順番逆なんじゃね?と思います。
多分それって桜(特にソメイヨシノ)がこれだけ人に愛されることで、ちゃっかりと生育範囲をひろげられた、戦略の一つなんでしょうね。
花が先だと綺麗さがやっぱり違いますから。毎年本州にいるとそれを強く感じます。結構桜、好きなんだなって。
そして今回も全てGR3で。もう完全に馴染んできました。
サウナに完全にハマっています
4月に入って、何が変わったかって、サウナにハマりまくっているということ。
2月からなんかまあ色々あって、身体が求めるように実家の近くの銭湯サウナへ。これがハマるきっかけでした。
サウナ、今までは水風呂を全く無視していたんです。はぁーいったい私は今まで何をやっていたのか。温浴施設にかれこれ30年は行っているのに、この水風呂に入る行為を奇人がするものと解釈していた自分を恥じたい。
サウナイコール水風呂。そして休憩。この3点セットを持って初めて完成する施設だったんです。でもそれ教えてくれなかったよね。今まで誰も。最近やっとですよ。
しかも実家は鶴見。鶴見といえばサウナ野郎たちが愛してやまない3大サウナがあります。こんな地に生まれていたというのに、人生の大切な時間を水風呂に入らないサウナに少しだけ捧げていたかと思うと、悲しくなってきます。
というわけで今では週に5回サウナ行くくらいになっています。
家から3分のところのスポーツジムにサウナがあるらしいので、もうそこに入会しようかと思うレベル。
サウナの何がいいかって、頭の中の黒い部分をベリッと剥がされるような、そんな感覚が水風呂からの休憩にあるんです。
温泉が体に効くとすれば、サウナは精神に効く。特に寒い冬とか暑すぎる夏とか人が生きていくのには困難な状態であればあるほど、サウナは効果がある気がします。
そしてサウナの良いところは、日本全国各地にすでに設置されまくっているということ。最近出来た人気のドーナツ屋とかタピオカミルクティー屋とかポップコーン屋とかパンケーキ屋のように、店舗数が限られている、ということはなく、基本的な性能のサウナであれば大体代替可能。
これは何を意味するかというと、サウナにこれからの人生でたくさん入れるという幸せな世界がすでに完成しているということ。
タイだと、そんなに無数にはサウナはない。けれど日本ならばある。
日本、やっぱりいい。
まあタイだったら、自分で作っちゃうかもしれない。家の庭にテントサウナとタイでおなじみの氷を使ったキンキンの水風呂作って、外気浴は暑いからクーラー部屋とかで休憩すると。案外それ最高かもしれない。必要は発明の母だ。
そしてフィンランドにはサウナが大量にあって、行ってみたいと思っているけど、韓国にもチムジルバンとかトッカマとかいう野サウナみたいなものもあるので気になる。むしろこれ似たようなものは世界中にあるんじゃないか。暑いのと冷たいのさえあれば可能なこの儀式。
すでに宗教的にも利用されていておかしくないが、宗教的にその儀式をやっているのは聞いたことない。むしろ寒いか暑いか、どっちかを試練のように与えるだけで、交互にやって休憩して気持ちを落ち着かせることが儀式になっている宗教があれば教えて欲しい。その宗教、多分すぐ潰れるレベルで悩みを解決してくれる気がする。78364。
また、温泉はともすればすぐにここは源泉掛け流しじゃない、とか、塩素臭いとか、泉質が悪いとか、鉱泉沸かしているだけじゃんとか、ちょっとブームになっただけで訳知り顔が現れて文句言うのに全く未来を感じない。そんなものわかった上で楽しめばいいんだ。その点で、いいサウナ、悪いサウナはもちろんあるが、ことのびしろが多く、未来志向が可能という点でサウナには未来を感じる。
今年の目標としてはいろんなサウナに入ることと、子供をサウナ教育すること(それが可能な銭湯サウナはすでに発見した)、下仁田ネギ祭りに参加して採れたてのネギを焼いて食べること、白子玉ねぎ祭りに行って新玉ねぎをたくさん食べること、などを挙げておきたい。
とにかく、サウナが今生きる意味になっている事だけは間違いない。いやそれは言い過ぎか。なんにせよ新たな興味が生まれたことは素直に喜びたいと思う。