東京国立博物館

国立博物館といえば国立科学博物館だった私は一度も行ったことがなかったのが、東京国立博物館
社会の教科書に載っているような展示に期待して行ってまいりました。



上野の駅を出て割合近いところにあるのが国立科学博物館。子供の頃から博物館といえばここ。
とはいえ当時の展示内容や見せ方は子供心にも心躍るものがなく、本当に日本の博物館はダメだなと思うほど残念でした。ただ並べてあるだけ、説明も白い説明板に黒文字のみ。体験型展示も古臭く、埃をかぶるような状況だったのです。まあ入場料が70円とかそういうレベルだった気がするので、向こうも客商売とは思っていなかったのでしょう。



それが独立行政法人化されてからは企業との各種タイアップなどの特別展も高頻度で開催されるようになり、今回の深海展も190分待ちという表示が出ており、人気のようでした。



ただ、この企画展、企画展の常ですが、すごく高い。大人1600円。本当にそんなに出してまで見る内容なのだろうか。しんかい6500の実物大模型は横浜の三菱にもつくばにも科学未来館にも置いてあるし、目新しさもないと思うんですが、なにぶん江戸っ子はこういうイベントが大好きですからね。いつも、思う、そんなにいいのか企画展。と、見たい気持ちを抑えつつの横槍でした。




さて、トーハクです。





トーハク、そりゃ流石にいいですよ。展示も演出がしっかりしていて、ウットリするようになっています。観覧環境としては特に照明も含めてとても良い博物館だと思いました。ただ、展示内容が「THE日本」過ぎるというか、昨今の海外からのお客さんの急増に焦点を絞っているのか、サムライやら刀やらの展示が多く、時代が新し過ぎる印象。もっと仏像見たい。展示の変化も時代の流れなのでしょうか。
そんなわけで展示よりも建築の方に目がいってしまいました。



そんな国立博物館のそばに超近代的かつミニマルな建築。好物。
これは只者ではない、と思い検索すると谷口吉生葛西臨海水族園など好きな建築が並ぶ建築家。



近寄って見るとまさかの法隆寺宝物館。
こんな近代的建築に法隆寺というアンバランスが素晴らしい。



中に入って見るといきなりのマリオベリーニ!!そしてこの写真には写っていませんが、二階にはルコルビジェのLC2がたくさん。
非常に直球で、言わずと知れた名作中の名作椅子をさりげなく置いてあります。もちろん本物でしょう。
これ一脚25万くらいするんです!いや〜なんかそのチョイスは大人気ないな〜と思いつつも、やっぱ良い。




で、そんな椅子よりも驚いたのが第二室の仏像展示。何ですか。これ。
「全員重文」ですよ。まさにアウトレイジレベルの展示。どれも6世紀とか7世紀の仏像ですが、保存状態はいいし、何より出来がいい。聞くと江戸時代に秘宝開陳的なイベントでしか観られなかったような仏像が、パラ〜っとかっこいい照明の下でズラララーと展示されているのです。撮影自由。世も末。まさに世紀末。ですが私はこの自由を享受したい、とそう願わずにはいられない展示でした。
そして息子の帰りたい発動により(そりゃそうだろ)この1室しか観られなかったが、正直ここが上野のMAXじゃないでしょうか。

というわけで国立博物館、とっても楽しかったので、またいってみたいと思います。