今改めて代々木第一体育館。
生まれてこの方、近くに居たのに行った事が無かったというところは結構ある。この代々木体育館もそう。
丹下健三の代表作であり、東京オリンピックの象徴的建物であるにもかかわらず、近づいたことすらなかったので行ってみた。
こちらは改修の際に一つ一つ剥がして平らになるように削ったという石。
主柱を2本立ててそこにワイヤーを繋げ、端っこを固定して、そこから鉄骨を直角方向に張り出して屋根を吊り下げる特徴的な構造。
元々は全部ワイヤーでやる予定だったのを鉄骨に変えていたんですね。
それにしても1年半という工期の短さは気が狂っているレベルだと思います。
今年の頭から作り始めて来年のオリンピックに間に合わせるということですからね。
ワイヤーから伸びる鉄骨は入り口にも。
中。たまたま車椅子バドミントンをやっていました。
改修されて凄く綺麗になっています。来年のオリンピックではハンドボールの会場になるそうです。
恐らく昔からの石と新しい手すり、リノリウムの床などなど。改修された箇所とそのままのところを探すのも面白いでしょう。
ワイヤーから伸びる鉄骨。考えてみりゃ分かりやすい構造です。
この構造、何処かで聞いたことがあると思ったら、今はなきザハ案の新国立です。あれは地中にワイヤーを通してその張力を利用して鉄骨を撓ませて天井を逆に吊るような構造でした。強引にいうと代々木をひっくり返したような構造ともいえます。そう考えると案外ザハも代々木へのリスペクトが合ったんじゃ無いでしょうかね。今となってはまさに夢ですが。
今思えば丹下事務所が出した案だったらあのままいった気もします。ビッグプロジェクトであればあるほど、オールジャパンでやるってのにこだわりありますよね。日本人が海外で決まってたのを白紙にされたらもの凄く怒るでしょうに。
そんな論議も今となっては遠くになりにけり。既に隈研吾の新国立は出来てしまいました。
さて、垂れ下げたワイヤーからこの綺麗な曲線を出すのが、腕の見せ所。ここは大成功しているといって良いんじゃ無いでしょうか。
ロビーにある岡本太郎のレリーフ。周辺は改修されているのに、どーんとこれがあるので驚きます。違和感としてうまく機能するのは岡本太郎の真骨頂でしょう。
ほぼ床面から。見上げると照明の複雑さに見とれます。
ロイヤルシート的なモノもあります。
うーむ。天井の曲線と照明が良いですね。やっぱいいわ代々木、っていいたくなります。キムタクの声で。
逆サイドから。ね。照明と天井。いいよね。
というわけで、代々木でした。オリンピック後、何処かのタイミングできっと世界遺産か国宝、国指定重文になるでしょうね。東京オリンピックから100年とかそういうタイミングで。
というわけでこちらもまさかのオリンピック2度目の登板となります。