東京カテドラル聖マリア大聖堂
丹下健三 1964
丹下健三で重文、国宝、世界遺産ということになれば選ばれる可能性が高いのは平和祈念資料館、代々木体育館、そしてここ。先日のローマ教皇訪日の際に訪れた事でもさらにその感覚がある。
今回はメディテーションコンサートに参加したので、内部も見学することができた。
本当は快晴の昼が一番映える建築だと思う。ただ、月光に照らされるステンレスも悪くない。というか相当いい。
非常に細いながらかなりの高さがある鐘塔。
内部の印象は夜で上からの光がなかったこともあるが、教会というよりも地下要塞の祭壇。続・猿の惑星のあの教団の感じであるのが偽らざる感想である。
コンクリートの重みを嫌が応にも感じさせる重厚さは他の教会建築ではない感覚だろう。昼間だとまた違った感想を持つかもしれない。
外観の軽やかさ、綺麗さと内部の対比が極端で、他に似たような建築を思いつかない点で稀有な作品。この年代を代表する建築の一つであることは間違いないだろう。
イタリアやドイツのカテドラルとは歴史の長さこそ違うと思うが、同種の観光価値があると思う。それにしては観光客がほとんどいないことが不思議である。
そのうち今とは別の状況になるのではないかと予想しておく。