かずさアカデミアホール
千葉県の誇るバブル時代華やかなりし頃の遺産。
ここはコンテンポラリーダンスと親和性があるのか、数々のダンスPVが撮られてきました。
まずは懐かしのUNIQLOCK 第5弾。これが2009年。印象的というか、この作品でかずさアカデミアホールを知った人も多いのではないないでしょうか。
平手友梨奈様がかずさアカデミアホールに君臨されております。
どちらのPVも全編に渡ってかずさアカデミアホールが映りまくってます。特にアンビバレントの方は主役は建築なんじゃないかというくらい、出ずっぱり。 利用者がすごく少ないためか、光は溢れているのに北欧のような寒々しい雰囲気を生み出しています。そのくらい無機質な印象。
では行ってみましょう。
エントランスです。ここまで凝っているのにBCS賞とか貰えませんでした。
このエスカレータに乗ってホールに入ります。池も当然人口。鯉がいます。
エレベーターホールはなんとなく葛西臨海水族館の谷口ガラスドーム風。
ポストモダンよりもぱっと見はモダニズムに近いですが、実態はポストモダン的ごった煮建築とでもいうか、いろんなモダニズム建築の美味しいところを持ってきた感覚。ほぼ同じ時期に同じ事務所で作られたつくば国際会議場にホール内部構造(階段と円形ホール)がよく似ています。
個人的には無駄の極みであるエスカレーターによる導入部分など、空間的な余裕を感じさせるこちらの建築が遥かに好きですが、会議数はつくばと比べると圧倒的に少ない!
千葉にも「つくば」をということでわざわざ「かずさ」とひらがなにして民間企業の誘致を進めているものの、閑散としているのがもったいないです。
アンビバレント回廊。
マリオベリーニの椅子たち。多分本物ですので、一脚33万。ちなみにつくばはLC2でした。
今回土曜の昼に訪ねましたが、人が全くいない。よくこれで保っていられるな、と感心してしまう。調べてみると一度潰れているとのこと。そりゃそうですよね。
このだだっ広いホールに注意書きはわずかにアルコール消毒液のみ。この公共施設とは思えない気合の入った装飾性の排除は人が少ないゆえか、美学なのか。
おかげで非常に綺麗です。ラジコンとかやるのに最適。
中のルーバーは林昌二のパレスサイドビルのようになっています。下は駐車場です。事務所のボスのボス、コルビジェ的なピロティ再構築でしょうか。
こちらは会議室エリア。白と木材のみで機能的かつ明るくて好印象です。
アクリルの壁と青いタイルが綺麗です。
それにしてもこのエスカレーター、本当に必要だったんですかね。。。無駄の極致。
エスカレーターではないですが、このスロープの角度や館内の手すりの質感などには谷口吉生っぽさも感じます。
というわけで、かずさアカデミアホールでした。
天気の良い日に行くと中は光に溢れてて気持ちのいい建築です。こうした大規模建築にも関わらず人の少なさが特筆ものです。