Macintoshの新版画「髪梳ける女」 橋口五葉
千葉市美術館常設展で見られるこの新版画、大正時代の歌麿と呼ばれる橋口五葉の作品です(ちなみに撮影OKです)。同世代の美人画と比べると目が細くてモダンで、令和の時代でも古さを感じさせません。
この新版画、どこかで見たことあるな、と思った方、超Mac大好きでしょう。
初代MacであるMacintoshの発表会でどーんと登場したのがこちらの新版画だったんです。
搭載されたMacPaintのマニュアルの表紙にもなっています。
発表会の様子がビデオになっていましたので、是非ご覧下さい。9分50秒頃に出て来ます。
この発表会、1984年に行われており、私も今回調べる中で、映像は初めて見たのですが、初代Macがその後のPCの世界を如何に変えていったのかが、マウスを使った操作やウインドウ主体の画面などデモ内容から分かると思います。
そしてジョブズがプレゼンでやっていること、見せていることはその後のNeXTやMac、iPhoneなどの時とあんまり変わりません。変わるのは「9インチの白黒めちゃ高精細なディスプレイ搭載」とか「5インチフロッピーに変わる3.5インチフロッピーには400kbの記録が可能」とか、単位が今となっては信じられないくらい古いことでしょう。特にMacPaintのデモで今ではお馴染みのPCでマウスを使って如何に絵を描くのかを世界で初めて見た人達の拍手に感動します。
なにより、この時のジョブズの年齢、若干28歳。自分が年を重ねれば重ねるほど驚嘆しますね。
そんなジョブズが気に入っていたのが、日本の新版画。発表会の前年に日本で買い求めた上記の作品を採用し、Happy Macなどアイコンを描いたスーザンケア女史が白黒化したそうです。
千葉市美術館以外でも収蔵していますので、ぜひ1度ご覧下さい。