auシカ!


沖縄県慶良間諸島にのみ生息する天然記念物「ケラマジカ」。
このシカ、はっきりとしたことは分からないようですが、370年くらい前に琉球王朝の割と偉らめの人が鹿児島から連れ帰ってこの地で繁殖したようです。ようは外来種ですわなぁ。
一時期は数が数十頭くらいまで減ったのですが、保護が進んでいまは百数十頭くらいいるようです。


というわけで薩摩から移入されたケラマジカ。おそらく島の生態系への影響も色々あったでしょう。でも琉球の歴史、文化的にも考慮して1972年に天然記念物になりました。対してかのマングースは100年前にハブ対策で東大の渡瀬庄三郎教授らにより移入されたけど駆除対象。


ちなみに渡瀬先生は食用としてのウシガエルの移入と、その餌としてアメリカザリガニ移入という移入スパイラル的な仕事もしてます。当時の状況を考えなくてはいけませんが、いまだったらば爆笑問題あたりに確実にネタにされていることでしょう。


現代では「在来種保護」「外来種は排除」が原則主流です。が、時代と共に動物との関係も移ろいゆく人間。排除をすすめているマングースも、もし漫画「のだめカンタービレ」のおかげで今後途轍もない人気者にでもなったらば・・・


いまのやり方が100年後の人間からはどう捉えられるのか、それは分かりません。100年前のことを考えると滑稽に見える可能性が高いかもしれません。しかしヤンバルクイナの問題と合わせて、現時点で信じていることに果敢にチャレンジしていく姿勢は、まさに「人間て面白」、ではないでしょうか。私はそんなふうに思っています。


追記
このケラマジカauの沖縄限定マスコットキャラクター「auシカ」として県民に愛されて(?)おります。これは、ドコモのキャラクター「ドコモダケ」へのパロディになっているのです。


auシカに関するITmediaの記事
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0506/01/news009.html
のだめカンタービレに登場するマングースのぬいぐるみ


写真は月曜日に慶良間諸島阿嘉島にて撮影。