年に一度の手放しオススメ映画


 毎年一度くらいは多少 「?」があってもお薦めしたい映画に出会う。
今年は李相日監督(32!)の「フラガール」。


沖縄での公開初日に観に行って来たんですが、とっても良かった。


 炭坑の多角経営で誕生する常磐ハワイアンセンターの踊り子を最初は半ば仕方なく目指す炭坑娘たちがだんだん成長して舞台に上がるまでのお話。昨今よくあるフジテレビの青春ドラマとプロットは同じ。だけど実話だからこそ可能だった「炭坑がハワイになる、ならざるを得ない」というトンでる設定とシンプルな脚本は、熱が入り過ぎな演出すら笑って許せる程の勢いがあってスッバらしい。もちろん炭坑モノだからしっかり辛い現実も見せつけられて話に他には無い深みがある。


蒼井優の熱演&ラストのダンス、きちんとしたロケ&セットなど見所満載で笑いながら泣けるハッピーな映画です。


あ!あと南海キャンディーズしずちゃん!もうね、ハマり過ぎ。しずちゃんのキャラクターって貴重だなあと常々思っていたけど、ここで最大限に生かされてて、ピカピカ光ってた。


 細かい点で強引な脚本に難ありな部分もあるけど、それも見過ごせる爽快な後味を是非。


良く似た話に、うら寂しい鉱山町から高校生が黒色火薬を使用したロケットを作って全米科学コンクール、NASAを目指す青春鉱山モノの傑作自伝小説「ロケットボーイズ※1」がありますが、こちらはそのフラダンス版やね。


※1 この小説は本当に良く出来ていて、「青春小説」に必要な要素はすべてぶち込まれている気がする。「遠い空の彼方に」という題で映画にもなりました。誰しも経験するだろう父との葛藤と理解、高校でのありがちな恋愛、うらぶれた炭坑の情景がなんともリアルでほんとオススメです。ホーマー ヒッカム・ジュニア著。


フラガール オフィシャルサイト
http://www.hula-girl.jp/top.html
Wikipedia:常磐ハワイアンセンター
http://ja.wikipedia.org/wiki/スパリゾートハワイアンズ