GW一日目・BABELとペルー料理。


 各方面でとりあえず菊池凛子が凄い!ということで話題になっておりますが、早速公開日にBABELを観に行ってきました。このイニャリトゥ監督っていつも映画の作り方が同じで、3つの話を強引に一つにするってのがもうお家芸的な感じ。一番初めに観たアモーレスペロスは3つのそれぞれの話と繋げ方、メキシコの匂いが伝わってくるような映像、出来がすっごくよくて、あーうまいなあ!こりゃいいわ!って思ったんですよ。
その次、21グラムは内容の肝は大好きな方向だったんだけど、構成がもうやり過ぎですよイニャリトゥ・・・ってな複雑さで(時間軸が完全にバラバラになってる)もう面白いんだけどさ、もうそこらへんで止めてくれと思ってました。さて、今作はどうかなーって観てみると、あらら、とてもわかりやすい。ホッとしました。


まあ、前の2作は3つの話とはいえ、結構近い距離(京都大阪神戸くらい?)での話だったんだけど、今回は日本、モロッコ、メキシコですよ。これを繋げるのは確かに至難の業?いやそうでもないはずだけど、これはいくらなんでも強引すぎですよ!あなた!とツッコム余地アリ。でも映画の肝が繋がり重視ではない所が新機軸。3つのお話の繋がりの希薄さが今回はうまい。楽しい。


でも、日本編はあーそう撮っちゃうんだ〜ってのが、若干・・・若干ですよ!?あるのがちと切なかった(モロッコ編もモロッコ人的にはそんな感じだと思う)。それに比べてメキシコ編の匂ってくる情報量の多さ。結婚式シーンはとってもいい。やはり監督、メキシコ人ですから。才能、あるなー。


で、それぞれのお話はとても切ない観了感で相変わらずの「人生は不条理だけど、続きます」感=太宰治人間失格ぽさを出しててとても好き。けど、3つの国に渡ってやった意味はそれほどない、と思った。広告、題名に勘違い。言葉が通じ合わないからどうのってのは、ほぼ関係ない。モロッコ編でもメキシコ編でも2カ国語しゃべれとるやん。日本編でのみ、言葉が・・・ってのは感じるだろうけど(でも、そこの切なさはいいんだよね〜坂本龍一の音楽が流れて・・・相変わらず、うまい)。


そんなわけで21グラムよりは遙かにわかりやすいし、絶望感も薄いので、なるべく一人で観ることを前提として観てみると良いと思います。でもアモーレスペロスのほうが上やね。


写真はその後食べに行ったペルー料理。米料理がおいしい。初めて飲んだインカコーラはコーラではなかった。