ルーイのピータコーン祭りでピーと戯れる。
一年に一度、タイ語で『地の果て』と呼ばれる秘境ルーイ県のダンサーイ郡にて行われるピータコーン祭り。毎年だいたいこの時期に行われる祭りですが、今年は6月12〜14日。
ブン・プラ・ウェトとブン・バン・ファイを合わせた喜捨系の祭りなんですが、これがタイの他のそれとはだいぶ変わっていて妙な仮面を付けた男たちが練り歩く、何とも奇妙なお祭りとして結構有名です。もちろん祈祷や儀式がお祭り的には重要なのでしょうが、今ではこの変なお面を被って騒ぐお祭りに俗化している感もあります。でもこれが相当楽しい! タイにおけるお祭りほとんどに言えることですが、タイ人の仏教行事を楽しみ方向に急激に変える才能はすごいと思います。
ルーイ県はイサーン地方の奥地。いまでは冷暖な気候を利用したワイン作りで有名になったとも言えます。この写真でも分かるとおり、盆地的なところに小さな街があります。それがダンサーイ郡ですね。
お祭りに定番の屋台。天気が良すぎて暑いので冷たいものの方が売れそうです。
さて、駐車場からちょっくら歩くとこんな奴らが襲撃してきます! いきなりかよ!
ピータコーン博物館にはピータコーンの由来が展示されています。このお面、上はザル、お面部分はバナナの皮みたいなもので作られていたみたいですね。
あからさまでもないけど明らかに分かるアレを模したものでなじってきます。このアレって日本の神事でもいろんなところで重要視されますけど、タイだと直ぐにギャグ方向に使っちゃうんですよね。このへんの軽さが大好きです。
ピータコーンにももはや商業化の波?いえいえタダ単に好きで書いたんでしょう。でも、こいつはお化けなのか?
そんなこんなしているとビッグピータコーンと呼ばれるデカイやつが市中を練り歩いてメイン会場に戻ってきます。
これは先導車。派手に装飾されていてシャボン玉まで出てきます。
あ〜やってきました!こ、これが民衆よりあがめられている伝説のデカピータコーンなの?嘘でしょう?という感じのデカピータコーン登場!
そんなデカピーを撮ろうと素人、プロ入り乱れての撮影。驚いたのはデジ1の多さ。デジ1が多いのだったらまだ分かるけど、レンズが凄くて、キヤノンのLレンズがとても多い。特に多いのは70-200 F4と70-200 F2.8。F4はまだ分かるけど、F2.8の多さにはびびりました。
もちろん町中を練り歩いていた普通ピーたちも続々と現場入りしてきます。
あ〜これはチャイナなにおいがしますね。エアブラシでちょっと濃くする処理ってチャイナっぽいですよね。
此の人も仮面はかぶっていないけどピーの一種。街中にいたら確実に変質者なんですけど、大丈夫!それがこのお祭りなんですね。みなさんやってるほうもやられるほうも楽しそうです。
まひるです。
写真をとろうとするとかならずポージング決めてくれるノリの良さも仮面ならでは。
お面も売ってます。結構高くて3000バーツくらいするみたい。
昔は奇祭としてごく一部で注目されていたこのお祭りもいまでは一般化して誰もが楽しめるお祭りに進化したのかもしれません。沖縄の久高島では12年に一度島で生まれた女性のみが参加するイザイホーと呼ばれる神事があり、まさに奇祭そのものでしたが、今では後継者がいなくなり廃れてしまいました。このピータコーン祭りもそれに近かったのかもしれませんが、神事の内容は変えずに、時代に合わせて広く祭りに参加する人を増やすことで神事を存続することに成功しているように感じました。それが味がないとか思うこともあると思いますが、地域の伝統文化を次の世代に伝えていくためにはこのやり方が賢明なのかもしれません。