リーフで行く、若狭湾ツアー

毎年、日本に帰ったとき楽しみにしているのは長年の盟友、通称『教授』との二人旅。
これと言って決まりはないものの、ノープランでのクルマ旅というのを基本とし、つげ義春や建造物、乗り物インスパイアの旅をベースに、それほど注目されていないところに行ってみるという旅を続けています。もっと言うと私の行きたいところの面白さを実際に行ってみて『教授』にプロデュースするような旅です。


この旅について年初にいつも計画をたてるのですが、9年目の今年は発売されたばかりの電気自動車『リーフ』で若狭湾原発を見てまわろうという旅を計画していました。原発自体は東海や泊、浜岡、柏崎刈羽、六ケ所村再処理、東通、大間(建設中)など今までの旅の中で数多く訪れているということもあり、日本で一番原発が集中している若狭湾に足が向いたのも自然なことでした。しかし計画後に発生した震災からの福島第一の事故を受け、こういう時期に若狭湾原発を旅することはどういう意味を持つのか真剣に検討することが必要でした。そして出した結論はこういう時期だからこそ、見てまわって考えようということでした。特に二酸化炭素を一切出さない電気自動車で電気の生み出されているところへ行くというのは今後の自動車のあり方を考える上で重要で、実際行ってみて複雑な感情を持ちました。リーフのロングドライブのテストリポートとしてもご覧ください。


それでは、だいぶ遅くなりましたがスタートしましょう!



スタートは6月17日。奥さんを早朝4時半に羽田に送っていくという謎のミッションのため3時半起きして眠い目をこすりながら群馬から始発&上越東海道東京で乗り継ぎ最速でやってくる教授の新幹線のぞみN700系を新横浜で待ちます。



日本の切符って日本人以外読めないですよね。



やって来ましたN700。普通の700系の振動、騒音には心底困っているので大変ありがたいです。



いつもいつも思いますが、東名で越えるのに苦労するあの長い静岡を一切止まらず通過していく速さ、まさに東海道最速のモンスターマシーン。
一瞬で京都に到着。これが5分間隔で走らせる日本スゴすぎです。



京都駅近くの日産レンタカーでリーフをレンタル。ちなみにレンタル料は二泊三日で23650円くらいです。
充電はすでに満タン。100%で190kmの航続距離が表示されています。
室内は至って普通の車の内装。



違うといえばこの使いにくいシフトノブ。プリウスと同じでなにやら軽いデザインです。



感動的なのはこのナビ。超高解像度でくっきりはっきりです。ナビ以外の機能も燃費計を始め沢山ついていてミライを感じさせます。




京都市内を抜け国道9号線で順調に第一充電ポイントの舞鶴を目指す…はずだったんですが、京都は盆地。盆地を抜けるためには山をこさなければいけません。山、それは電気自動車にとって最悪に電力を消費するものです。平地走行では余裕で150kmを超えていた航続距離が山に差し掛かるととたんにグングン下がって行きます。そのため、亀岡以降では山がありそうなところでは並走する京都丹波道路を利用します。全線で使わないのは高速走行も電気自動車にとっては電費を悪くする原因だからです。


ちなみに高度の変化はカーナビには書いてありませんので、携帯でグーグルマップを表示させて山っぽい地形を探すか川、もしくは鉄道と並走している道を選ぶと大体うまく行きます。でも現状そのくらいしか方法がないです。走行ルートの選択に神経をすり減らすようなテクニックが要るラリー的な車です。


当然ですけどエアコンとかワイパー、ウインカーなどすべて電気使うので使用は出来るだけ少なくしないといけません。夜はヘッドライトを付けないといけないので走るのは航続距離を気にする場合おススメできません。



舞鶴市内に何とか到着し、充電ポイントに向かいます。ここでこの車に搭載されているオペレータと会話して充電ポイントを設定してもらう機能を試してみます。ボタンを押すとオペレータにつながり、一番近い急速充電ポイントをお願いしますと話すとすぐさまそこに勝手に設定してくれます。これはミライ感ありますね。




リーフの旅で一番重要なのは航続距離が短いということ。カタログスペックでは160kmもしくはエコモードで200kmとか書いてありますが、ずっと平坦か下り坂でなければほぼ無理です。京都から舞鶴の充電ポイントまでは90kmですが、到着したときには残り35kmくらいになっています。もちろん全部エコモードです。ですのでこの範囲で充電しながら走らなくてはなりません。



充電ポイントは現在拡充中ですが、信頼できるのは日産ディーラーにある急速充電器です。急速充電器では30分で85%まで充電できます。普通充電は200Vで10時間くらいかかるので旅では使いどころがありません。日産ディーラーが定休日だと場所により旅自体が成り立たなくなるので注意が必要です。



こんな感じで充電。
なお、充電料金は福井県の日産ではすべて525円/回でした。約100kmで525円です。L=150円とすると燃費は28km/Lといったところ。燃費いいとは思いますが、30分待ったり、走行中はかなり頑張ってこれですのでメリットがあまり有りません・・・


そんなわけで充電時間を利用してお昼ごはんへ。