シン・ゴジラ考

シン・ゴジラを観てきました。
それも初日舞台挨拶が終わった直後のTOHOシネマズ六本木で一番デカい第7スクリーンで。
ゴジラの新作を初日に、いわば最上の形で観ることが出来てまず、そこに感謝。
タイにいたら逆立ちしても不可能な事が出来る幸せを噛みしめています。


そして、映画本編。期待と不安が最高潮に達して、東宝ロゴがやっと出て、あの効果音がかかって、そこから2時間。
結果、


傑作でした。



ここではネタバレ全開でどこが良かったのかを書いていきます。
いわば観た人達がそうそう、あそこ良かったよねと反芻できるようにする記事です。
今回のゴジラ、ハッキリ言って絶対にネタバレ情報を見ないでいった方が良い部類の映画です。
ですので、この記事もここから先は映画を観てから是非ご覧頂きたいと思います。


では改行させていただきます。



はい!この辺で良いですかね?
いや〜観ましたよね?


最高じゃ無かったですか?!!!!!!!
少なくとも私は外連味と意外性のある演出と設定にほぼ常時にやけっぱなし。


結論からいうとエンディングのカタルシスはないものの、3.11以降の日本の状況を完全に彷彿とさせる、これから何年もかけて廃炉する福島第1原発=東京駅でいつ動き出すかも分からないけど、とりあえずは止まっている状態まで頑張って持って行ったぞ、というゴジラ感!
あのコンクリートポンプ車でゴジラの口に血液凝固剤を入れる演出。完全に福島第1原発への初期対応を思い出させるビジュアル、半端なかったですよね。正直ゴジラを潰す作戦としてはもっと派手なモノ、いわばエヴァヤシマ作戦の実写版を想定していたので、若干地味な画にはなっているんですが、あのコンクリートポンプ車でゴジラの口に制御材をぶち込んでいる画のリアリティに震えましたので、良かったと思います。


まさにいま、この時代に作られるべくして作られた東宝ゴジラだと思いました。


前の記事でゴジラは何故東京を目指すのか、今回のゴジラでそのSF的な解釈があるのかどうか、それを議題にしましたが、結果的にそれは観客側で感じ取るモノであって、劇中では全く語られ無かったのですが、むしろその方が良い効果になっていました。


なぜ東京を、しかもど真ん中中のど真ん中である東京駅を目指すのか。それはまさに原発を必要としているのは東京であり、もしも原発が東京駅のど真ん中にあってそれが暴走したらどうなるのか、というシミュレーションになっているんですね。ここがまず最高にいい設定だと思いました。


原発は危ない。でも東京には必要。じゃあなんで東京のど真ん中に無いのか、という逆説的な問いかけです。痺れます。


ゴジラ自体の演出については、初登場時の異形感、違和感が凄かったですよね。何じゃこのヘンな生き物は!という。そこから怒濤の形態変化、1度海に戻って再上陸して、熱線攻撃に至るまでのスムースな展開。こんなにスピーディなゴジラは今まで無かったですよね。まさに観客がゴジラの変化の早さに置いて行かれそうになる感覚でした。


そしてゴジラ攻撃までの面倒な法的手続きのリアルさ。この感覚はハリウッドにはない、庵野監督ならではこだわりが異常に出てました。ちょっと出過ぎるくらいに。それが自衛隊の攻撃にも活かされていて、今まで個人的に不満点であった、自衛隊の撃ってるタマでたまにゴジラに当たらないのがある!あんなデカい目標に当てにいってんのにそんなわけないだろ!というのが完全に解消されてて、全弾頭部や狙っている箇所に命中する、するんだけど全然効かない!!という至極当たり前な演出が初めてされていて、本当に嬉しかった。


またMLRS、御殿場から撃って多摩川届くんだな、とか、コブラのM197ガトリング砲の音がやっと今までの「バババババババババ・・・」っていう断続的ないかにもマシンガンですよ、っていう演出からちゃんと「ブーーーーーーーン」っていう連続で凄え早く弾出てます!ってのになってたのもホッとしました。


予算の無さから来るCGのしょぼさなどは目をつむりますし、明らかに遊んでるだろ!!っていうN700系爆弾(無人)とか在来線E231系爆弾(無人)みたいなのもツッコミどころとして、きちんと機能していたと思います。


なにより最後の指揮所が太陽を盗んだ男科学技術館屋上。これ、出たとき泣きましたね。なるほど!と。


キャストも素晴らしかったですね。私は特に相当近い役職に知り合いがいることもあり、大活躍する役柄にグッと来ちゃった環境省自然環境局野生生物課課長補佐の市川実日子さん。早口で理知的でこれ大好き。
石原さとみの英語の単語のところだけ英語発音になるコメディーっぽい感じ、最高。平泉成の臨時総理のボケた感じとそうでもない動きを見せるところなどなど楽しいキャラクターが一杯。


そして姿をくらませた教授がまんまパトレイバーTHE MOVIEの帆場暎一で、絵的に品川の運河とかヘリの運用も含めてパト2なところも結構あって、ゴジラの熱線は巨神兵だし、もちろん一番大きなベースにはエヴァ過ぎるところもあって・・・一番最初の方の無駄に多いカット割りとか変なところから撮るのは実相寺監督だし、一々ああ、庵野監督感出過ぎ!って思いながら引き込まれてします。そんな抗えないような作家性が凄く出ているところも含めてとても上手くまとまっていたと思います。


ターゲットとして子供がこの話について行けるのか?とか色々考えちゃいますけど、ゴジラ好きには堪らないこの上ない新鮮感、初めて見るような演出の多さ、思わず手を打ちたくなるようなこれだぜ!っていう演出など、まあ好き。凄え好き。


そんなわけでまた何回か観に行くと思いますが、是非とも次は観た後にすぐ語れるような方と連れ立って観に行くことをオススメします。それがまあ楽しい映画!
あと地理的には銀座とか日本橋のTOHOシネマで観るのが良いでしょうね。私も次は日本橋で観ようと思います。


散らかって書いてしまいましたが、とりあえずはそんな感じで。ここらで締めたいと思います!
あ、あと体験していないので何ともいえないんですが、MX4Dはいらない気がします・・・。兎に角デカいスクリーンで、観ることを優先した方がいいかなと。