三宅島火山紀行
教授とのバカ旅。今年度は三宅島。
最初にお話しすると、三宅島から大島にヘリで移動するところがもともと今回の旅で最大のポイントだったんですが、悪天候のため、ヘリ飛ばず。大島に渡れず。しかし!今回そこがポイントではありませんでした。三宅島、マジ良いです。
皆さん、三宅島というと2000年の噴火で約4年間も全島民が避難するという事件が記憶に新しいと思います。でもね、私、全然知らなかったんですけど、三宅島、ここ最近20年毎に噴火してるんです!知ってました?
西暦でいうと1940、1962、1983、2000。た、確かにガンガン噴火してる!
というわけで、今回の最大のポイントは火山です。
正直こんなに火山が身近なところ、日本ではここか桜島か、っていうところだと思います。
こちら昭和37年に噴火したが故の地形。今回のレンタカー、SUZUKIの名車、アルトも異世界に居るようです。
海水浴場の砂も真っ黒。ここまで黒いと、「白い砂浜の方が綺麗」という価値観も崩壊しそうです。
瓢箪山という噴火で出来た山に登山。火星に海が出来たらこんな景色だと思います。
そうだ、ここは火星だ!(テラフォーミング中の)
どこの大自然かと思うほどのスケール。東京からここまで近くて人工物の何も無い景色というのは珍しいと思います。
瓢箪山を37山から望む。新東京100景とのことです。
三宅島はバードの島でもあります。
このアカコッコが島のアイドルバード。
もう一つのアイドルバードがこちらのドルニエ。
ANAが撤退したため、1日3便、調布飛行場からこの19人乗りのドルニエが飛んでいます。
ジムニーの1.3Lバージョン。ジムニーシエラの警察仕様。
三宅島に最も合う車両だと思います。
非常に高い波に乗るサーファー。
波乗り島としても結構良さそうな三宅島です。
こちら三宅島中学校の生徒が何と6年間かけて紙を貼って仕上げた等高線模型。
ただ、2000年の噴火にて山の形状が全く違ってしまい、大幅な修正が必要に・・・。
まさかこの山がボコッと陥没するとは思いも寄らなかったはずです。
大路池。伊豆七島で最も大きい淡水の池。この池のおかげで水に困ることは無いそうです。
もちろんこの池も火山の産物。火口に水が溜まったそうです。非常に濃密な自然に触れられます。
自然の多様性0の火山の景色とその逆のギャップを同時に楽しめる。これが三宅島の最大のポイントだと思いました。
お昼ご飯はとんかつ定食。お店は少なくチョイスはだいぶ限られます。
こちら1983年の噴火の際、溢れ出る溶岩が島の中でも大きかった阿古集落を襲い、壊滅したその様子が当時そのまま保存されています。この惨状というか、脅威というか。それでも1人の犠牲者も出さずに避難したことは島の誇りになっているそうです。確かにこの規模で無事故というのは凄い。噴火して直ぐに溶岩きたそうですから。
当時の溶岩。1983年生まれ。私と同じ生まれ年の地球を見て、非常に非常に、深く感動したのです。
この地がずっとこのままあるならば1983年生まれの溶岩は私が死んでもずっと年を重ねていくことでしょう。
この溶岩のことをアア溶岩というそうです。
アア溶岩。アア溶岩。
何度聴いても笑ってしまいます。ハワイ語で痛いという意味だとか・・・。
パホイホイ溶岩も気になりますね。
この観察道路で最大のポイントは当時あった小学校と中学校がそのままの姿で保存されていること。
溶岩の威力の凄さ、マジで震えます。これを見るだけでも三宅島に行く意味がある、そんな場所だと思います。
これ。上から見たところです。完全に狙い撃ちのように溶岩にやられてしまいました。
こちらが今回乗った橘丸。素晴らしい船です。
兎に角揺れない。そして船内綺麗で快適。是非1度。
2000年の噴火に一番近いところにあった牧場。完全に壊滅してしまっております。
その昔三宅島は酪農が盛んな島で島の有名なお菓子も牛乳せんべいでしたが、今は酪農は無くなってしまいました。
火星に来たアルト。
こういう感じで地球と火星を行き来できるジオアイランド。
地学好きもそうでないひとも1度体験して損は無い、そのくらい面白い島だと思います。
三宅島で今一番盛り上がっているもの、それはロッククライム。
このカフェ、沖倉商店の店主が頑張って島にある岩場を全国的に有名にしただけでなく、行政を動かして廃校の体育館をクライミングジムにしてしまったのです。初心者から上級者までボルダリングやリードクライミングを楽しむことが出来ます。
それがこちら。
公共施設のロッククライミングジムとしては日本最大、というのが凄くないですか?
そしてボルダリングが東京オリンピックの正式種目に採用されるのに先駆けること2008年からこの活動をしているそうで、先見の明があるなあと。私も初めてやってみましたが、メッチャ楽しいです。
決まったルートの石しか手は使えないのでどうやってクリアするのか頭を使います。そして手がパンパン。
そして直ぐにまたやりたいとなる、楽しいスポーツだと思いました。
三宅島、初めて行きましたが、楽しい自然あり、怖い自然有り、面白いスポーツあり、もちろん海も有り、美味しい料理も有り、ちょうど良い距離にコンパクトにまとまった島があるなあと思いました。私の中では老後を過ごすならかなり理想の島、に近いかも知れません。なにより東京から直ぐに行ける手軽さ、これが好きです。
暖かくなったらまた行きたい。夏がこの島のホットシーズンですからね。