最近観た映画とか読んだ本とか

1 映画「ホテルルワンダ」
2 随筆「私の嫌いな10の人々」中島義道
3 小説「終末のフール」伊坂幸太郎


1 映画「ホテルルワンダ」
いやー良い映画観ました。ルワンダ内戦時に多くの避難民を救ったあるホテルマンの物語。ルワンダのことにはあまり多く触れず、職務を遂行する男の行動に焦点を絞って話は進む。始めから終わりまでハリウッドの映画の体裁なので奇抜な演出もなく、安心してみることが出来ます。でも内容はシビア。まず忘れがちなのだけど日本に生まれてきたことと、この国がいまとりあえず相当平和なことに感謝するしかない。そしてその意味を考えたい。こういう状況にならないように努力する。なったらこの人のように行動するべし。


劇中2カ所グッと来るシーンがあります。一つはカナダ隊の大佐の言葉。もう一つはエンディングの曲の歌詞。


2 随筆「私の嫌いな10の人々」中島義道
ホームなどでの電車の案内がうるさいっていう至極まっとうな意見を述べていた「うるさい日本の私」に続いて中島先生2冊目。何しろ文章が対象に正確で的確。うーんこりゃ、当たってる。ようは巷に蔓延る「いい人」に対する宣戦布告。毒。
普段、「笑うこと」や「感謝すること」や「いつも前向きに生きる」など大方「善」と思っていることが、この人の視点で見ると「悪」になる奇妙な爽快感。大いに納得。でも大変ですよ、この生き方は。楽に生きましょうよ先生といいたくなるほど、シビア。


3 小説「終末のフール」伊坂幸太郎
妖星ゴラスディープインパクトアルマゲドンに続く(?)巨大隕石落下して地球が大変系のお話。でも撃退しにいったり対策とかを講じるたぐいの大げさな話ではない。あと8年で墜ちてきてみんな死んじゃいますよっていわれて、大方騒ぎが落ち着いた落下まであと3年の妙な静けさの中で生きる人々の生活を描く。やたら地に足のついた隕石落下小説。


これ、かなり考えさせられます。必ずみんな死んじゃうって言われたときにどう生きるのか?「儚い空虚な生」と「血の通った生」の違いが浮き彫りになるような。ま、今のところ隕石も落っこちてこないみたいなのでありがたく生きさせてもらおうと思う。