オダギリジョーと香椎由宇


誕生日が私にとって忘れがたい2.16事件発生日「2月16日」ということで妙な親近感を覚えている二人。
どちらも好きというより気になってしまう存在である。なぜかなあと結婚のニュースを見ながら考えていたら、二人とも昭和っぽいことに気がついた。


オダギリジョーの演技の幅は非常に広い。パッチギ!時効警察のような暢気な役から、メゾンドヒミコのような怪しくも綺麗な役、故障気味のさゆり、パビリオン山椒魚(映画としては空回りしっぱなしの不完全なものだったけれど)まで。どれも「そつなく」ではなくアホみたいに演技してくれている。これが昭和の熱い時代の映画俳優とだぶる。用心棒でいえば山茶花究の丑虎から加東大介の亥之吉まで出来ちゃうような魅力がある。全く憎めない、ヤツだ。


香椎由宇はよく100万人に1人という左右対称の顔が話題になるが、決して現代的な美人顔ではない。むしろキリシタン大名の娘や財閥のご令嬢といった感覚が適切ではないだろうか。栗山千明と似た系統だが、昭和初期の軽やかな服を着て銀座を歩くような、いわゆるモガが似合う女優は彼女だけだろう。さらに言えば日本沈没のリメイクでは必ず渡老人の付き添いをしている和服の少女「花江」の役をやるだろうと思っていた(デビューのローレライと監督同じだったし)。ああいった怪しい和服を着る少女の役ははまりまくるだろうと。ま、リメイクでは役自体がなかったんだけどね。


そんなわけで二人とも日本の映画界にとっては希有な存在。今後も楽しみだわ。