ほとんど電気で出来ている様な気がする下北

今回、なぜ下北を目的地に選んだかというとバカ旅の一つのテーマでもある、あり得ない景色が多量に存在しているという事です。
その多くは自然と人の作った巨大構造物が同居している景色。ダムなどはその最たる例で、自然の中に人が生きるために必然的に作った根源的な建築を見て知る事は我々の日々の生活を支えるものがいかなるものなのか、精神的なバックグラウンドになるのではと考えます。


下北半島には現在電気を作るために必要な、必要悪ともいえる原子力関係の施設が数多く存在します。特に原子力利用の核となる原子力発電所東通村に1基、建設中なのが2基、計画中が1基あり、本州の北端大間町でも1基が建設中。さらに原発で使用した燃えカスともいえる使用積み核燃料を再処理して使える部分を取り出す巨大な再処理工場が六ヶ所村で稼働実験を始めており、解体された原子力船むつの母港は元々むつ市にあり、科学館では撤去された原子炉が見学出来ます。この他にも国家石油備蓄基地があったりと本当にこの半島は電気との関わりが強いのです。



六ヶ所村の使用ずみ核燃料再処理施設をそのPR施設3階から。



このPR施設、建物は非常に立派で敷地も広く職員の数も多いけれど、我々が訪れたときには客は我々だけ。展示内容も薄く、再処理がどうして必要なのかの展示は非常に少ないのです。PR施設という名前であればもっと積極的に必要性をアピールすることが肝心だと思うのだけれど、なぜでしょうか。この写真はブレイク用のキッズコーナー的なもの。おもちゃが置いてあるだけという非常にシュールな内容。



低レベル放射性廃棄物用のドラム缶。再処理工場近くにはこの廃棄(埋設)施設も存在してます。飛行機の墓場がツーソンならばここは核の墓場でもあるのです。




ところがここには強いやませを利用した風力発電も盛んに行われており、数多くの風車が建設されています。



自ら電気を蓄えて走行に利用するプリウス、風の力だけで電気を起こす風力発電、それが膨大なコストを払って原子力関係の建設が進められる半島に存在しているのが非常にあり得ない光景、となり興味をかき立てられるのです。


ちなみにこちらは電車ではなく気動車ディーゼルエンジン