ウトウの飛来 それは日本で見られる最高の自然体験
天売島のウトウは3月中旬頃に例の崖で巣を作ります。4月中旬に穴の奥に1卵を産み、5月中旬から孵化、雛がかえると親鳥は餌の魚を求めて300kmも飛び、60mも潜って魚を捕って帰ってきます。7月に入ると巣立ちが始まり、8月初旬までに大部分が天売島から姿を消してしまうそうなので、まさに見頃なのは6月の下旬なのです。
我々はほぼ夏至の6月24日に見に行きました。天候が最高に良かったのでいつまでも見続けることが出来ました。
ウトウが帰ってくるのは日没後から4時間くらいの間。暗くならないとあの泥棒ウミネコに餌を横取りされてしまうから。そして出かけるのは朝2時頃。どんだけ体力あるんですか。
斜面では泥棒ウミネコたちが餌の帰還を待っております。
人間だったら窃盗罪で逮捕されてもおかしくない状況ですが、自然に刑法はありません。
ウトウ観察は1台のバスで。ウトウ解説が完璧な男性と綺麗で優しい女性のガイド二人組でばっちり!
最後まで日が沈むのをみんなで待ちます。
そうすると空一面がウトウで一杯になるのです。
こんな光景、ここ以外で見ること出来ないでしょう。
壮観としかいうことの無い、美しい自然の姿です。
日が沈むと一気にウトウが斜面の穴めがけてすっ飛んできます。マジで怖いレベルの数、スピードです。
日が沈んでいるのでシャッター速度は稼げず、撮影には大変難しい条件となりますが、フラッシュは心情的に焚きたくないので、すべてノーフラッシュで。
巣の前には泥棒ウミネコの野郎がたくさんいて警戒中。
そんな中でちゃーんと巣に帰れるウトウちゃん。それぞれ自分の巣を分かっているというのが凄い。
とにかく凄いスピードで突っ込んでくるので人に当たることもしばしばだそうです。なのでこの時期はウトウバス以外はほぼ通行禁止になります。
ウミネコも餌を狙って必死です。その必死さを他のことに向けてくれればと思うウトウ派の人間が多数ですが・・・
こんな感じで口に大量の魚をくわえてくるのが何ともユーモラスです。
ウトウちゃん、偉いなあ。夜9時に家帰ってきて、午前2時に出発ですよ?
帰宅こそまあまあ早いものの、出発まで5時間。毎日300km移動ですし、疲れとかないんでしょうかねえ。
そんなウトウたちの帰還はまだまだ続いていますが、暗くなってきたので、観察はここまで。
こんな素晴らしい自然のショーを日本で見られるとは思いませんでした。是非6月は天売島へ。