火星探査機の着陸方法色々


8月6日に火星に着陸が予定されているマーズサイエンスラボラトリー・キュリオシティですが、非常に危なっかしい着陸をすることで現在話題になっております。
ただ、火星への着陸は大気が薄く、決定的な着陸方法が無いため、大気との摩擦による空力ブレーキやパラシュート、逆噴射など今までに色々な形式が試されており、キュリオシティ以上に変な降り方をしているものもあります。
というわけで、せっかくなので火星着陸方法の歴史について紹介したいと思います。


一番最初に火星表面への着陸に成功したのはソ連マルス3号。1971年のことです。
この機の着陸についてはマルス3号を紹介したこちらの素晴らしいページの一番下に非常にわかりやすいアニメーションがありますので是非ご覧下さい。
http://homepage3.nifty.com/junji-ota/tansaki/mars3/index.html


アニメーションによるとこの探査機は空気ブレーキ+パラシュート+逆噴射を使っておりますが、着陸直前の挙動はかなり危なっかしく、今回のキュリオシティに実はかなり似ています。


次はアメリカのバイキング1,2号です。1976年に着陸しています。
こちらのビデオの途中に着陸シーンがありますのでご覧下さい。

軌道を回る軌道船から、パラシュートも使わずに逆噴射ロケットのみで着陸しています。逆噴射だけというのが潔いですね。


次がアメリNASAのマーズ・パスファインダーで1997年に着陸しています。
こちらは空力ブレーキ、パラシュート+逆噴射+エアバッグで着陸します。動画の2分くらいの所を見て欲しいのですが、最後着陸寸前に機体前部を丸いエアバッグで覆ってそのまま着陸。当然ボールのようにポンポン跳ねながらやがて停止。これが一番危なっかしい着陸だと思います。欧州でも似たような着陸方法でやったことがありましたが、失敗してます。


ただ、NASAはさらに2回これを成功させています。それが現在でも活動中のマーズ・エクスプロレーション・ローバーのスピリットとオポチュニティーです。
この時はマーズパスファインダーの時とほぼ同じですが、サイズが大きく重量で10倍以上の180kgとなってます。ポンポン跳ねるのが信じられませんよね。


その次、一番最近着陸したアメリNASAのフェニックスです。
これはかなり正統派の着陸で空力ブレーキ、パラシュート、逆噴射となっております。
着陸シークエンスで今まで見たこと無いくらいに興奮している人たちが熱い、こちらのビデオをどうぞ。


最後にキュリオシティの着陸。こちらです。

最後つり下げて着陸というのがマルス3号にそっくりですよね。


今までで最大の探査機となるキュリオシティ。8月6日の着陸が無事に成功することを願ってます。