YTB阿房列車 札幌〜鹿児島編


9月の帯広以降の写真の編集がやっと出来た。量が多くなってしまったが、時間のある時にご覧頂ければ幸いである。220枚の写真で札幌〜大阪〜豊岡〜鳥取〜島根〜萩〜下関〜大分〜人吉〜鹿児島〜那覇の日本縦断阿房列車の旅を振り返ろうと思う。


内田百間先生に関しては各自で調べていただくとして、阿房列車については若干の解説を試みたい。


 「何にも用事がないけれど、汽車に乗って大阪まで行って来ようと思う」という名文で始まる内田先生の鉄道随筆「阿房列車」。この「何にも用事がない」のに借金までして大阪に今のグリーン車より上のグレードの一等車に乗って行くのが、内田先生である。阿房列車シリーズでは東京〜大阪の「特別阿房列車」以下、全国津々浦々を「無駄」に旅する。どこかに行っても観光地にはよらず鉄道に乗る。それも二等(今のグリーン車)に乗っている人の顔付は嫌いだと言って三等か一等、若しくは特別二等にしか乗らない。「乗り鉄」とも思える随筆。それが阿房列車だ。それだけだとなんだか本気で阿房だと思えてくるが、なかなかどうして、そうではない。実に鋭く、時にユーモラスに人生を楽しんでいる。そんな先生にあやかり、今回の旅をYTB阿房列車と名付けた。さて、以下は脳内内田先生が書いた文章である。


 沖縄へ帰ると言う立派な用事があるから、汽車に乗って行こうと思う。学生の分際なので、一等には乗らず、三等(普通)である。分をわきまえなければならない。しかし青春18切符の五日間三等に乗り放題というのは、沢山乗ってやろうという根性が如何にも卑しい。しかも特別急行列車には乗ることが出来ない。こんな不自由は嫌である。


そのため当然であるが、正規運賃で旅程を全うする事にした。札幌から千歳、旭浜、函館、海峡、奥羽、羽越、信越、北陸、湖西、東海、福地、山陰、山陽、鹿児島、日豊、豊肥、肥薩、鹿児島線を経由して鹿児島中央までの乗車券は学生割引を使用して20320円、15日間途中下車有効である。それに特別急行列車に乗る際には特急券を車内で適時買う。結果的に今回特急を使用したのは札幌〜大阪〜豊岡と小倉〜中津〜別府〜人吉と吉松〜鹿児島中央であった。ルートは大まかに決まっているが、宿の手配や細かい変更などはその場で行なう。沖縄に10/2に帰れば先生には怒られない。


 なかなか発車しないでやきもきしていると思うが、そろそろYTB阿房列車にご乗車いただこう。


YTB AHOU TRAIN
http://www.linkclub.or.jp/~cocco/SKY/sky.html


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