マレーシア・マレー鉄道

マレーシアにはタイと国際列車を運行するマレー鉄道が存在しています。
バスが長距離交通の主役になっても旅情を求める客は未だに鉄道を選択します。
とはいってもマレーシアからタイに抜ける列車は1日に1本。逆も然り。


今回はKL Sentral駅を22:00に出発し、翌朝10時頃タイ南部の都市ハジャイに到着する夜行列車に乗車。



こちらは一本前のIpoh駅行き。結構乗ってます。



ディーゼル2重連の長大編成が入線してきました。地下駅でディーゼル吹きまくりというかなりキツい環境です。



運転手は2重連を1人で協調運転ということでしょう。



こちらがハジャイまで行く2等寝台車。



日本のB寝台(といっても、B開放寝台ってもう無いのか)と同じく二段ベッド。
そしてタイの二等寝台と同じくプルマン形式。


今までのマレーシアのインフラの整いっぷりからするとだいぶ格落ちするというかそんな感じの車輌です。
サービスもタイはブランケットは別に持ってきてくれるのに対して、こちらはシーツが2枚敷かれていてそれを引っぱがしてブランケット代わりにするという方式。


ただ運賃はKLからハジャイまでで60RMくらいと日本円で1600円でタイのそれに比べてもかなり安い印象。



二等座席。こっちの方が人気があるようでした。



夜が明けて参りました。



マレーシアのやたらと整っている椰子プランテーションや田んぼの中を駆け抜けて参ります。タイ国鉄と違い、早着してます。



そうこうしているうちにマレーシアとタイの国境に当たるPADANG BASAR駅に到着。



ここでパスポートコントロールがあり、マレーシアを出国し、タイに入国します。
正確には同じところに戻ってくるので入国していないのですけど、1駅で全部やりたいからか入国したことにされます。
タイ側は1時間時間が遅く、タイ語が一応出来る係員がいるのが面白いです。



さすがに国境駅という事もあってContainerTerminalが整備されています。



無事に出国、入国して駅で出発まで時間を潰します。
マレーシア側の駅ですが、タイ料理よりのマレーシア料理。




既に出発時間を1時間過ぎておりますが、出ません。
何故かというとタイ側から来る列車とここで機関車を交換するため。その列車を待ってます。
つまりタイ国鉄ポンコツ運行のおかげで待たされている、という事です。



来ました。
バンコクからマレーシアのバタワースまでぶち抜いているタイ国鉄の南部線最強最優等列車ですが1時間遅れでした。



タイ側の機関車を連結。



すでにここでマレー側から来た列車は長大編成から2等寝台、2等座席、電源車という最弱な編成まで減らされております。みなさんここで長い事待つ事が分かっているので車でさっさと国境を越えるんですね。そのためこんな編成になっているという事でしょう。最後まで乗り通す人はほとんどおりませんでした。



約1時間遅れでハジャイ駅に到着。マレーシアの近代的な駅に比べると25年前に戻ったような感じがします。



ハジャイ駅。やっと帰ってきた〜〜タイ、やっぱりタイ語がが通じるので落ち着きますね。



ハジャイ駅は典型的なタイの地方都市。それほど大きな違いは無さそうですが、一応南部なので爆弾爆発事件が頻発している地域に近いといえます。



ハジャイからはライオンエアーが最近飛ばし始めたウドンタニに直行するという本当にそれ需要あるのか分からないけど個人的には便利すぎる路線で。ちなみにハジャイ空港は空港に入る前のゲートで持ち物検査をマジでやってます。これはタイの地方空港で初めての経験でしたが、さすがに爆弾の南部だけあります。



ライオンエアはハジャイからウドンタニまで約2時間を1355Bという格安運賃にて運航。最初は落ちるんじゃ無いかと思ったけど、無事に到着。4日間に渡るマレーシアの旅もこれにて終了となりました。


マレーシア、今まではタイよりちょっと進んでいる国という印象しか無かったけど、行ってみりゃ気合いの入ったインフラの整備で街は整然としていて、道路は5車線の高速道路でシンガポールのような印象すら受けるほど。ただシンガポールまでは行かない。そういう意味でタイとシンガポールのまさに中間のような国。そういった部分について、タイはおそらくマレーシアを目指さないだろうけど、付いてしまっているこの差を埋めるには相当な時間が必要かもしれません。


アジアの雑多さを求める旅行者からするとタイに比べて中途半端、シンガポールの整然なアジアを求める旅行者にとっても中途半端。そんな印象。ただこの中間感は長く滞在する外国人にとっては居心地が良いだろうとがらりと印象が変わりました。