TBSラジオ・ストリーム 終了


海外に長期にいる自分の情報源として、大変重宝し、かつ琴線に触れる良いネタがたくさん詰まっていた番組が終わってしまった。番組内のコンテンツをPodcastとしてかなりきちんとネット配信しつづけた日本初のラジオ番組。おそらく海外にいる人にとってこの番組のPodcastの重要性は日本国内にいるときよりも高く、ニュース9を筆頭とする最近の演出過多なNHKニュースをNHK Worldで見るのに比べると扱う範囲も広く、正確でかつ深かった。Yahoo!のニューストピックを見るだけでは分からない、ニュースの背景や違う視点、そして映画芸能政治書籍に関する話のタネをずいぶんと与えてくれていたと思う。それが残念ながら終了。これは切ない。


ラジオというメディアは非常に制作費が安価でスタッフも限られた人数で放送できるため、いままで何度も潰れるといわれ続けながらも長らく存続して来た。しかしここ最近の不況はそれも覆す大幅な収入減少を起こしているらしい。もう一つの大きな問題は法令遵守や社内規定の問題で発言できる内容がどんどん窮屈になってしまっていること。正直電波に乗せる形でのラジオは追いつめられているのかなとも思わせられる。


「ストリーム」を始め最近のラジオ番組の多くが示しているようにラジオというメディアはネットとの融合がテレビに比べるとはるかに簡単で、今後のラジオの未来像をおぼろげながら見せてくれている。今後はこのやり方にどういままでのシステム(聴取率とスポンサーと音楽著作権問題)を適合させていくかが課題だと思う。そこが解決すればラジオの必要性を感じる人たちによってまだまだ存続していくだろう。個人的に小学校の頃からラジオに育てられて来た身としては、この試練の時期を乗り越えて、再び革新的ないい番組に出会いたいものだ。