3D黎明期の微妙映画として記憶されるだろう「アバター」

観てきましたアバター



3D映像がすごい!ってことで売っているこのアバター。今回、この映画で初めて3D映画を観たという人が多いと思います。私もその一人でどんなものかと思っていました。観た劇場はコンケンのSFシネマ。3D表示形式は日本ではシェアがほとんどないドルビー3Dデジタル。日本で普及しているメガネにシャッターがついているXpanD形式ではなく、軽い偏光レンズを利用した一見オーソドックスなものです。


さて、タイではどんな感じか。当然ですが設備の追加が必要な3Dでやっているところはバンコクでは結構あるみたいですが、地方ではマレ。ばっちり対応してくれたセントラルプラザに感謝です。まず料金が倍。日曜だったこともアリ、一人240バーツというスーパー高価格(2倍)。でも結構混んでいました。劇場に入る直前にメガネを受け取り、中へ。ここまでは同じ。で、SFシネマの面白いパンダのケータイ切りましょうCMを観て、予告編。これも同じ。でも最後の方、国王賛歌が流れる頃にメガネをつけてみると・・・プミポン国王が3Dでドーーーーン!!王妃もドーーーーン!となっている訳はなく、新作の本人出ずっぱりの直球過ぎる国王賛歌映像を観たあとにメガネかけましょう映像が出ます。


ここでメガネをかける。と、ドルビー3Dの始まります映像が数字でカウントダウン。これが!この数字が3Dでビュンビュン飛んでくる!これには場内大興奮。個人的には今回一番感動したのはこの数字ビュンビュンでした。(マジで)で、トイ・ストーリー3Dの予告があって、本編スタート。20世紀フォックスのオープニング映像も3D化されてます。


で、本編が始まるんですが、本編の3Dはかなり自然な出来でビュンビュン飛んでくるということはほとんどありません。確かに3Dだなーって迫力です。特に終盤の空中戦とか凄い。風景も生き物以外は結構自然に作り物っぽさはないです。ただストーリーはほんと普通でグッと来るところが殆どないんです。これ、映画としては致命的なような…


やはり上のポスターからもわかるように大人向けというより子供向け(ストーリー、内容とも)の3Dアニメーションの一つなんですね。だって肌が青いんですよ。もうそこでなよーっとしてしまいます。でもリアル志向の3D技術で風景その他は超リアルになったという映画。ただそれだけのような気がします。今後の3D映画のマイルストーンになるとは思いますが、映画のマイルストーンにはならないでしょう。革新的な映像技術を使ったジュラシックパークターミネーター2も話にワクワクしたから面白かったわけで映像が凄いっていうだけで満足できるのは遊園地か万博会場だけだと思います。


ただ、新しい映画であることは間違いないですし、こういう機会はいましかないと思います。タイでちゃんと3Dで見れて非常に良かったとは思っています。それゆえ今後、3Dの利点を存分に使ったちゃんとした映画が出てきてほしいと思わずにはいられません。