日産リーフで三日間のロングドライブへ

日本に帰国して、写真を使えるPCが無いので、とりあえず忘れないうちに書いておかなければの日記を。イタリア編はタイに戻ったらですね…



先週の週末、この日記によく登場する教授とともに今年発売された電気自動車の日産リーフを借りて、二泊三日、約600kmのロングドライブの実証実験に行って来ました。


結論から先に言うと素晴らしい運転体験が出来ました。


良い点
・圧倒的な静寂性
これはハイブリット車を含めた現在あるエンジン車では絶対に味わえない素晴らしいもの。
その静寂性は運転中に窓を開けていると外の会話が聞こえるほど。騒音を出さない車は社会性を持っていると感じました。また、この車の売りでもあるゼロエミッション、排出ガスゼロ言うのも気持ちが良いですが、電気を作る為にはそっちで出している訳で、今回はそれについて考える写真も撮影してみましたので、追々。


・高い運動性能と乗り心地
想像以上に運動性能が高いことに驚きました。特に発進時の滑らかで急激な加速は癖になります。また巡行時は静寂性と相まって継ぎ目のないレールを惰性で走っている様な極上の乗り心地が楽しめます。これはすでにある意味ではガソリン車を越えています。充電量が少なくなっても出力は変わらず、とても高いレベルでバッテリーとモーターがコントロールされています。


・他の車と全く違うパワートレインなのに溶け込むデザイン
一目で電気自動車とわかる突飛なデザインではなくティーダを明らかにベースにしていると思うような他の車に溶け込むデザインは静寂性とともに忍者の様な隠密性を持ってます(借りたのがたまたま黒だったというのも大きい)。知っている人以外は普通の車が走っているとしか思えないでしょう。この判断は今後の普及の為にしたのだと思いますが、とっても良かったと思います。


悪い点
・航続距離
フル充電で200kmという話でしたが、普通に何も考えず走った場合、せいぜい120kmが安心して走れる限度です。山を越えたり、エアコン、ヒーターなどを使うと100kmくらいが限度でしょう。


・充電インフラと充電時間
急速充電施設は都心には段々と充実して来ている様ですが、地方ではまだ日産の一部ディーラーにしかありません。充電時間も約30分でその間の暇つぶしをどうするのか良く考えないといけません。200Vの通常充電は満充電まで長時間待つ事になり、自宅以外での利用は現実的ではありません。


まとめ
航続距離という大きな問題点はまだのこっているものの、すでに快適に走り、止まるという自動車としての基本機能は全て満たしていると思います。そのことがなにより素晴らしい。町の中だけで完結する利用方法ならば、すでに一切問題なく使用できるだろうと感じました。ここまでの完成度にして発売した日産はとてもとても偉いと思います。



では細かいディティールを。


スタートは京都駅。一日目は距離にして約150kmの舟屋が立ち並ぶ景色が有名な丹後半島の伊根集落を目指します。


京都を出発し、その静寂性に驚愕しつつ国道九号線を走ります。当初満充電で190kmと表示されていた航続距離計は京都から出る際の山路で一気に減って行きます。この車、山には劇弱です。下り坂で回生するため、ある程度は回復しますが、精神的には山は避けたいところです。
そのため、第一充電ポイントの舞鶴までの間、何度かある山を避けるため、山の部分だけ有料道路を使う作戦に変更。トンネルを作ってくれた人にこれほど感謝したことはありません。


リーフに搭載されている非常に賢いナビゲーションコンピュータも高低差は表示してくれませんので、高低差の少ないと思われる鉄道や川と並行する道路を選ぶのが最善の策となります、


また、エアコンはもとよりオーディオ、ライト、ウインカー、ワイパー、パワステ、パワーウィンドウなど普段気にしない様な電装品が全て航続距離を奪う要因になりますので気を使います。当然エアコンはオフ。窓の開け閉めは最小限、ウインカーは三回まで!


そんな感じで節電走行を心がけた結果、京都から約90kmの舞鶴に約二時間半で到着。残り航続距離は90kmとなっておりました。


舞鶴で急速充電するのは舞鶴日産。そもそも若狭湾には舞鶴敦賀の二箇所しか急速充電ポイントがありません。充電は約30分で85%まで。ここでの料金は充電量に関係なく525円でした。


充電時間を利用して昼食。700m離れた道の駅で海鮮丼にしてみました。85%まで充電後、伊根へ。途中で天橋立へ。この辺の道路は海沿いなので高低差がなく、電気も減りが穏やかです。こういうところだと乗り心地が良すぎて運転していると眠くなってくるのが本当に大きな問題になるほど。


伊根はほとんど車が入ってこないので静かな集落です。こういうところだとこの車の静寂性が際立ちます。騒音で迷惑をかけることなく宿に着くことが出来ました。


一泊後、再び舞鶴へ。またしても舞鶴日産で急速充電。ここまでは90kmの走行で残り30kmほど。マーチ並の運動性能となるエコモードを解除して、通常走行するとすぐに航続距離が減ります。


充電中は暇を潰すためジュークの試乗へ。エンジン音がうるさいと感じ、旧時代の乗り物という気がするのは言い過ぎとしても振動がこれほど大きかったのかと驚きます。


また85%まで充電し、敦賀へ。敦賀日産で再び充電後、敦賀半島へ。三方五湖に宿泊し、翌朝再び敦賀へ。敦賀日産で最後の充電後、琵琶湖を通り京都へ。峠を超えるため一時はどうなることかと思いましたが、下り道でだいぶ回復で来たので無事に走破!最後は残り航続距離14kmでした。


写真を含めた詳細な記事はタイに戻ってからまた書きます。