タイ王立空軍博物館 其ノ二「セスナの脚は細い」

さて、イタリア編並に長くなりそうな(イタリア、まだ終わってないですけど)タイ空博物館編ですが、今回は屋外に展示されているプロペラ機を中心にお送りします。


そもそもタイ王立空軍は最近でこそヘリコプターをおっことして救助に向かうもそのヘリコプターもその次も落っこちるなど世界仰天ニュースとかアンビリバボーに出そうな話題を提供してますが、1914年創立の歴史のある空軍です。主力は今もってだいぶ年数の経ってきたF5ですが、F16やグリペンも装備するかなり近代的な空軍。これはかなり無理ありますが、ハイローミックスってやつです。


また現国王の長男、王位継承者であるワチラーロンコーン皇太子殿下は操縦免許を持ち、ドイツに自家用の737でいっちゃってなぜか大昔の借金のカタとして差し押さえられそうになるようなぶっ飛んだ飛行機マニア(たぶん)です。元を辿れば最初にタイで飛行したのはピサヌローク王子の特命を受けた陸軍将校。まさに王室から趣味の一環としても愛される飛行機。そういうこともあってタイ空軍は、他の軍にはないノスタルジーとハイセンスの融合した空軍特有のまだ雰囲気があるんです。


さて、そんなタイ空軍の博物館はタイ空軍の歴史すべてが展示されていると言っても過言ではないほど、すべての年代の飛行機が網羅されています。また土曜日というのに人が殆どおらず(それは他の国の航空博物館でも一緒だけど)、飛行機に近づき放題。コレほど楽しい博物館はないでしょう〜


では行ってみましょう。入り口から展示されている順に興味深い飛行機だけ紹介していきます。


セスナ O-1 / L-19 バードドッグ

こちらは安心して見られるスタイリングのセスナO-1/ですが、とにかく脚が細い!!ということを親父が強調してました。



観測機というポジションのセスナO-1。全金属製でこの前に展示されているStinson L-5 Sentinel羽布張りの飛行機に比べるともう圧倒的に安心感があります。



でもセンティネルより軽い自重 680 kgなんですね。ほんと軽い。全金属製とはいえどこも殴ったらすぐ壊れそうなくらい薄いです。これに水平6気筒213馬力のエンジンがくっついて最大離陸重量は1t。



確かに、細い。クロームバナジウム合金の板バネのみでサスペンションとする構造はシンプルで美しい。でもこれだけでほんとにいいの?と思ってしまいますね。プラモデルだと前輪が機体の重さを支え切れないんじゃないでしょうか。



中はこちら。ホントにこんなんで飛べんのかよっていうくらいペラペラですが、すぐに飛んで行きそうなくらい軽そうです。実際軽いんですが。



RF-5A。F-5の偵察機版ですよね。前部がとんがってなくて平べったくなっててカメラなどの機器が入ってます。今でも何かしらの光学部品が入っているようでした。



こちらエンジンカウルの中。エンジン、入ってませんが中をよくみられるので面白かったですね。



HELIO U-10という6人乗りの汎用機。確かに何でも出来そうな便利そうな機体です。
乗り方がテキトーでこの突き出た棒に足を引っ掛けて乗り込みます。この棒、見た目はすぐに折れそうなんですけど、大丈夫なんでしょうねえ。



中はこんな感じです。お客さんも乗れるように上のセスナと比べると雲泥の差。かなりVIPな感じになってきました。



T-6テキサン。偽ゼロ戦の改造ベースとしておなじみの機体。正直どこの飛行機博物館にも置いてあるのではないかというくらいポピュラーです。



しかし、今回は上の流れで出てきますから、年代はバラバラなものの順調にサイズがでかくなってきて、おお、飛行機はずいぶんでかくなってきたな!って感じられます。これ、空冷9気筒の星型エンジンですもんね。カウルもでかいし意外と600馬力のモンスターエンジン。ここまで間近で見ると迫力ありますよ。