これは面白いに決まってる!ナイトサファリ


シンガポール動物園を午後6時に出て、隣のナイトサファリへ。
ナイトサファリは開園が日没頃、閉園が深夜12時の超夜型動物園です。シンガポールを観光で訪れる人ならば半数が予定に組み込むような一大観光地ですが、動物園には子どもの頃にしか行ったことの無い人でも動物園大好きな人でも、暗闇の中、目を見開かされるような素晴らしいところでした。


夜しか開かないというコンセプトの段階ですでに面白そうですが、楽しむにはちょっとしたコツがいりましたので、ちょっとだけ詳しく、このブログっぽくいってみます。


では行ってみましょう。



まずはいつも注目のゲート!モダンに動物を出さない方向で現代的。
「動物園のゲートは動物がお出迎え」というステレオタイプがエンターテインメント寄りの動物園では主流ですが、シンガポール動物園もここも動物を前面に押し出さないゲート。ナイトサファリの出発地としてアフリカのロッジを模した作りになっています。私は凝りに凝ったゲートが大好きなのですが、このゲートは現実世界との境界として、シンプルながら異世界への出発気分を盛り上げる役目を十分果たしていると思いました。



チケットゲートまでのエントランスは通路の両側に様々な食べ物屋、お土産屋などが広がるエリアとなっています。こうしたお店の類は一般的な動物園と違ってエントランスに一極集中しています。というのもこの動物園の中は殆ど真っ暗で入り口以外で営業出来ないからでしょう。なので園内にあるお店は西側にあるEAST LODGEただ一つです。




エントランスで行われるファイアーパフォーマンス。良くある系だけど高さが高くて女性もやっててかなり凄い!



ではこちらから入ってみましょう。

チケットはバーコードが印刷されるタイプで再入場時は腕にクラブのようにスタンプが押されます。これ、やっぱ夜の動物園ならではの演出だなあと思いましたがいかがでしょうか。


最初はショーを見ることをオススメしますと言われたので、それに従い会場と同時にショーへ。もの凄い人気で早く行かないと席がなくなってしまうようです。


こちらのショー、女性司会者が進行しているのですが、タイの動物園で全く同様のショーを2箇所で見たことがあります。蛇ネタなのですが、ここが元ネタなのか!!とひとしきり感動しました


またこの動物園内でのルールで一番重要な、「フラッシュ禁止」これを各国語で何回もおもしろおかしく注意していたのが印象的でした。



ショーは動物が出てきて芸をする非常にオーソドックスかつ安心感の高いもの。

ただショーとしては時間も30分くらいでそれほどの盛り上がり無く進行してましたので、正直もっと面白いものがあるので見なくてもいいんじゃ無いかっていう気がします。


ショーも終わったのでいよいよ園内へ。

観察方法は普通に徒歩でまわってみるTrailとバスに乗って解説を聞きながら見るトロリーライドの二つの方法となっていています。トロリーはトロリー専用の道があり、徒歩の道とバッティングしないようになっています。なおトロリーでしか見られない動物も西側エリアにあります。


初めにいっちゃうと私は最初にTrailで徒歩での観察にいったんですが、後で乗ったトロリーよりも遙かに面白かったです。トロリーはずーっと動くためじっくりと観察できませんし、撮影も出来ません。最初にトロリーに乗る人が多いと思いますが、是非最初徒歩で最後のんびりするためにトロリーに乗るような行程をオススメします。



歩く歩道の明るさもかなり落としてあります。これはE-M5の高感度と手ぶれ補正のおかげで非常に明るい画像になっていますが、実際は足下がうっすら見えるくらいの明るさで、1人だと怖いレベルです。動物の観察もいいのですが、この暗さの中で結構ドキドキしながら探検しているような気分になれるというのがこのナイトサファリ最大の醍醐味だと思います。安全が担保された状態での探検ですが、けっこうくせになる怖さがあります。怖くても1人で行くのをオススメ!!!



最初はTigar Trailということで暗闇の中に突然現れる虎の美しさに圧倒されます。



なお実際の明るさはこのくらいです。



その隣りにはBabirusaがおります。




この辺から殆ど真っ暗になって気分は真夜中の探検です。これは興奮!しかもみんなトロリーに乗るのであんまり歩いている人が居ない。そのため道には人気が無く、凄く怖い!でも五感を研ぎ澄ませて歩いて行くと動物の息遣いが側に聞こえてきてやばい楽しい。




Bongoとハイエナ。



Serval。かわこわいい。(これも本当はかなり薄暗いところです)。
夜行性のネコ科は昼間とは違って妙にぎらぎらしている気がしました。




ここで園内唯一の休憩場所、East Lodgeにつきました。静かでおしゃれなところで軽食が食べられるようになってます。
そろそろ夜9時ですので何か食べないと・・・と思ったのですが、ここではなくて入り口のULUULUで食べようと思いグッと我慢。トイレにいって飲み物を買って再びTrailに出発!




出ました。ライオン、ですが、かなり遠いです。このレンズは90mmですのでまあまあ望遠ですけど、こんなもんです。非常に広くとられている気がします。何か食べているようでした。



ウンピョウ。本当に暗くてぼんやーり見えてきます。





Eagle-Owl、この展示も良かったなあ。本当に夜のフクロウの姿がぼんやりと浮かぶように照明が設計されてます。



キリンの近くにはこのような沼が広がっています。たぶんシンガポール動物園の池?と繋がっているんでしょう。



パームシベット。



スロースリス。まさにこの動物園向け。
この近くにムササビのフライングケージがあったのですが、残念ながらムササビが飛ぶところは見られず・・・
コウモリのフライングケージもありました。





Fishing cat。これが一番面白かったなあ。魚を捕る瞬間を見ることが出来ました。感動!






やっとのことで入り口に戻ってレストランで食事。とっても楽しい内装。ここでもラクサを注文!
でもお昼の方が美味しかった。


このあとトロリーに乗って非常に大きなサイ、マレーバクなどなどがいる東側のエリアを見ていきます。
トロリーはだいたい40分くらいで一周しています。この間は常時トロリーが動いているため写真は撮れてもクオリティが低かったので、ココでは割愛。日本語のトロリーもあるようなので是非。


深夜12時に閉園となり、わずかに残っていた人と共に退園。朝9時から夜12時まで15時間歩いた〜〜疲れたけど楽しかった!最後は残っていたタクシーでホテルへ。


というわけで1日でシンガポール動物園とナイトサファリを堪能。ただ、1日では廻りきれないというよりも足を止めていたい展示がたくさんあり、もっと居たかったという感想です。


約40年でここまで興味深い動物園を築き上げたことは賞賛すべきと思いますし、今後も東南アジアの動物園の模範であり、ベンチマークであり続けるでしょう。またナイトサファリのように既存の動物園の枠組みを再構築して新しい価値観を提案している点も良かったなあと思います。ナイトサファリのフォロアーがそれほど生まれないのは立地や管理の問題もあるのでしょうけど、ここを超えられるものをなかなか作れないというのもあるかもしれません。そのくらい完成度が高いと感じました。


そして海外に行ってその国の文化を知りたいのならば映画と同じく動物園ほどわかりやすく、また楽しくその国の文化表現方法を表すものは無いと思いますから、是非動物園へ。
また行きたい!


WEBサイト
http://www.nightsafari.com.sg/
園内MAP
http://www.nightsafari.com.sg/images/innova_images/ns_map_en_090712.jpg