『ゼロ・グラビティ』がヤバすぎます!GRAVITY公開!


タイでは10月3日から公開されたアルフォンゾ・キュアロン監督の『GRAVITY』。
公開前から予告編が良く出来ていて話題になっていたので、早速観に行って参りました。


結論からいうと、この映画、ヤバイ!
ヤバイとしかいえない!超好きです。
90分間、見たことの無い映像、ショットがドバドバ出てきて常時半笑い。最後は叫びたいくらいの気分にさせてくれました。
宇宙好き野郎にとっては間違いなく今年一番、もしくはここ5年くらいで最もグッと来た映画です。


今回はこの映画のどの辺が好きになったのか、書いておきたいと思います。



ATTENTION!!
ここから"若干"ストーリーのネタバレします。
また映像のネタバレはバンバンしますのでご注意下さい。
ATTENTION!!


ISSソユーズについては事前にこちらを見ていくとより楽しめると思います。





正直にいって90分間すべて圧巻、なんですけど、まずは冒頭。STS-157が地球をバックに妙に低軌道なところでハッブル宇宙望遠鏡を修理していると、突然ロシアのデブリが降り注ぐシーンから物語は始まります。デブリの直撃を辛くも避けたサンドラブロックとジョージクルーニーのサバイバルが始まります。果たして2人は地球に戻ってくることが出来るのか?!というストーリー。とってもシンプル。


まず冒頭のシーン、13分にも及ぶという超々ロングショットなのです!これに興奮しないで何にする!!
アルフォンゾ監督作品は『トゥモローワールド』の車内からのロングショット↓が死ぬほど怖くてかっこよかったんですが、

これを越える長さのロングショットなのです。
それも静かな所から大変な事が起こって、また静かになるというトゥモローワールドと同じ構造なのですが、すべて無重力空間演出が続くという狂気!


そう、この映画で一番恐ろしいのはほぼ全て無重力空間での映画ということ。つまりほぼ90分間ずーーーっと特撮!これだけで5京点ですよ!
どうやって撮ったのかというと、アポロ13のようにKC-135Aを使って無重力状態を作り出したわけでもなく、新しい撮影方法を考え出したそうです。なおアポロ13でも無重力撮影は合計で6分くらいで大変な苦労をしてますので、この映画のそれは一体どうなっているんだという・・・


なお登場人物は2人だけ。顔もヘルメット越しなのであんまり出てきません。ですが、ミッションコントロール役でエドハリスが声のみの出演となってます。エドハリスと言えばアポロ13ジーンクランツ(フライトディレクター・超似てた)ですのでこの辺もオマージュ入ってるな!と宇宙映画好きにもグッと来ます。


また全編通して注目したいのは宇宙空間ならではの無音演出。何をしても呼吸音か無線音しかしない状況なのだけれど、電動工具でボルトを回したりするとその振動音が薄ーくバイブにしている携帯みたいにブルブルブル〜〜って身体に伝わってくるところがリアル。あなた本当に見てきたんじゃ無いの?ってくらい実在感があります。逆に大爆発が起こっても無音。でも船内に空気が満たされると音が聞こえてくる!このギャップがすごい。


ですので、無音の時にちょっとでも他の劇場の音が聞こえてくると興ざめなので、この映画を見るときに最も必要なのは周りの劇場の音がしない遮音が優れた劇場ですね。


また、ハッブル宇宙望遠鏡を修理しているのは最も宇宙空間を実感することが出来ると名作の誉れ高い『Hubble3D』オマージュなのかなと思いましたがGravityはIMAXのデカイ画面で見たHubble3Dを5,000倍くらい凌駕してました。
修理風景の実在感はもとより、CGでも質感が非常に良く、解像度が高いし、カメラもグルグル動きまくって3D。
物がふわふわしているので3D演出はどれも非常に上手くいっています。
初めて3Dで観ないといけない映画が出てきた!と思いました。


そして時折挟まれる芸術感高めの演出。天の川をバッグにしたジェットパックの絵とか、オーロラの絵とか「うわーこんなの見てみてぇ〜〜」っていう絵がバンバン出てくる。単純に綺麗。エアロック内を子宮に見立ててサンドラブロックが胎児になるシーンや誕生や海からの上陸を意識させるシーン等々、映像美にもかなり拘ってます。


で、スペースシャトルの船内から地球の夕暮れやら冒頭からずっととんでもない映像を続けているんですけど、その極地!みたいなのはISSソユーズTMAの描写ですね。監督、宇宙行ったでしょ?というくらいの圧倒的な実在感です。
特にISSの船内は音がうるさいと言われるロシアのズベズタモジュールや28,000km/hって書いてある看板とかちゃーんと再現されてて感動。


ソユーズ船内も妙に物がなくてスッキリしているのですが、よく見る写真の通りで、あ〜こういうふうになっているのかと良く分かります。何度も見直したくなる出来でした。
最後に出てくる中国のステーションはまあここ最近大きなマーケットになっている中国セールス向けでしょうけど、ピンポンのラケットやら野菜の栽培(笑)をしている設定などで笑いのツボをきっちりと押さえているところも好感。宇宙でどうやってピンポンするねん。


正直色々と映画のための嘘をついているところはあるのですが、こういう映像を見せてくれるのでまあそれは問題ないです。
細かいところはもう一度見に行ってちゃんと確認したいと思いますけどね。


ほんと、映画というよりもアトラクション的映像体験なので、出来るだけ3Dでデカイ画面の静かな映画館で見て下さい。その価値は間違いなくある、これぞ興行!『映画』です。今までの映画の中で最も宇宙を感じられる事は間違いないです。


あ、一点だけ。宇宙服を脱ぐシーンがかなりDoki・Doki!する仕上げなのですが、あれだけ頑張ったんだからもっとこう汗が無重力でぷわぷわ、湯気が周辺に無重力で広がる演出にして欲しかったです。妙に乾燥してるんですよね。あと髪形を長くして、束ねたのをほどくと無重力でぼわ〜〜ってなるようにして欲しかった!ま、それは蛇足です!(^^)!