東北への旅 名取 浪江 飯舘村

東北への旅 名取 浪江 飯舘村

今回東北へ行くにあたって、気軽に行ってはいけないと承知の上で津波の被害が多かった所、福島第一原発の事故で避難を余儀なくされている地域を通りました。
本来ならここで気軽に公開して良い写真では無いのかもしれませんが、自分の目で見て、何を思ったのか、少しでも多くの人に伝えたいという気持ちが強いので、お伝えしたいと思います。



海沿いの名取地区。
津波の被害はがれきが撤去され、見渡す限り草で覆われて、すぐには何があったのか判断できないほどになっていました。
しかし近くで見れば建物の土台が今なお残り、ここに建物があり、津波の被害が甚大であった事が分かります。



そんな名取地区の海岸は現在護岸工事が行われ、つり客で賑わっています。
震災から2年経ち、こうした場所でもつりが出来るまでに心に余裕が出来た事に少しだけ安堵感を覚えるとともに、この地区が元のにぎわいを完全に取り戻す事を願ってやみません。




名取地区近くにはまだ飲食店がないのですが、すでに営業を再開したラーメン屋があり、多くの人が集まっていました。
また周りには新築の家が建ち並び、さながらニュータウンが出現していて、復興の早さに驚かされる事になりました。




常磐線坂元駅。なんといっていいのか、全く言葉が出てきません。
線路も撤去され、駅舎も取り除かれた坂本駅はプラットホームだけが残り、在りし日の姿が写真が置かれていました。
常磐線のこの地区は現在山側に移しての復旧が計画されており、2017年の開通を目指しているそうです。



道路と電柱以外は草地という状況が津波の被害の大きさを物語っているのですが、草に覆われている事でそれがなかなか伝わってこないくらい自然に還りつつあります。



浪江町中心部。福島第一原発まで直線距離で10kmを切っているところです。今年4月1日より地域によっては立ち入りが可能になりました。ただ、通行証のない車両については国道6号線以外を通行する事は出来ません。



常磐線小高駅近くの踏切。






南相馬小高区にある小高駅は震災の被害もなく、一見なんの変哲もない地方駅だけど、駅周辺に人の気配は全くありません。
自転車置き場は草が茂り、ここが通常の状態でない事が分かります。
でも見た目はほとんど何も変わった事はありません。草だけが伝えています。



水田に草が茂っており、人の手が入っていない事が分かります。



道によっては帰宅困難地域に繋がっているため、立ち入りが制限されています。



飯館村。今回通過した中では最も線量が高いといわれているところ。




道路近くの旗に「除染作業中」の文字。「除草作業中」と同じような書体でこの旗に出会うと、大変な事が日常化してしまった現実に打ちのめされそうになります。



川俣町、二本松まで来ると田んぼも青々として、本来の姿を取り戻しています。
こうした本来の姿を早く取り戻してほしいと切に願いながら東北の地を後にしました。


今回、今まではテレビでしか見る事が出来なかった災害の事実を自分の目で見る事が出来、良かったと思っています。タイからでは募金程度しか出来ませんが、今後も被災した方々の力に少しでもなれればと思います。またこの記事が薄れつつある震災の記憶を思い出させてくれるものになれば幸いです。