トヨタ・センチュリーレビュー2 デザインについて


初代センチュリーは創業者、豊田正吉の生誕100年にあたる1967年に販売開始され、30年間にわたってマイナーチェンジされながら販売が継続された。1997年に初めてのフルモデルチェンジが行われ、2代目センチュリーに引き継がれている。それから今年で既に17年経っているが、マイナーチェンジされながら一切のデザインを変えずに販売が続いている。


まずは初代のデザインを見て欲しい


端的にいって戦後、アメリカ車やドイツ車のマネをし続けていた日本車が初めて日本独自のデザインテーマを持ってデザインされた車だと思う。デザインテーマは日本の伝統、神社、寺院建築やその精神性であろう。特に横から見たときになるべく左右対称になるようにデザインされている。




そして2代目。すぐに初代から2代目に引き継がれた部分が数多く存在することが分かると思う。特に横のスタイリングや前後の印象、ドアノブなど細かい部分についても実は同じデザインだったりする。
つまり2014年現在でも47年前の1967年にデザインされた車が改良されて存在している。これだけのデザインライフは数年でフルモデルチェンジを繰り返す日本車や10年単位でそれを行うドイツ車などよりも遙かに長く、世界の自動車史の中でも特異な存在だと思う。


それ故、その濃厚な昭和の匂いから現在売っているどの高級車とも全く違うオーラを纏っており、MercedesCなのかEなのかレクサスなのかパッと見分からないような状態になっている今の高級車の世界で、どこにいても分かる唯一無二のスタイリングとなっている。少なくとも私は街中でセンチュリーを見かければその希少性とスタイリングにより後席スモークガラスのS600よりも後席カーテンのセンチュリーの方が遙かに怖いと感じる。






今回借りたのは神威エターナルブラックというブラック塗装のもの。この塗装にまず痺れてしまう。欧州車も良くなったが、塗装に関しては日本車が一番良い気がする。その中でもセンチュリーの塗装は7回塗りという回数で塗装を行っており、まさに漆塗りのような光沢を実現している。


他の色は
鸞鳳(らんぽう)グロリアスグレーメタリック
精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック〈1C0〉
摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ〈8J9〉
瑞雲(ずいうん)デミュアーブルーマイカメタリック

の5色となっている。どの色にも漢字が使われていてセンチュリーの雰囲気を出している。個人的には神威エターナルブラックが一押しだが、摩周シリーンブルーマイカも渋めの青でなかなかいい。


細かい外装を見ていく。

エンジンルームはこのように開く。



テールのエンブレム

ホイールのエンブレム

フロントグリルのエンブレム

と、このようにセンチュリーは外側に初代から続く鳳凰のエンブレムが合計で6つある。



トランクはこのように四角く使いやすいことこの上ない形となっている。



CピラーにはこのようなCとL、さらにV12エンジンを象ったエンブレムがつけられている。



給油口は右側にあり、タンク容量は95Lとなっている。さすがにだいぶ積める。



スペアタイアはトランク下に標準サイズのタイアが積まれている。



ちなみに履いているタイアはレグノでタイアの静寂性も最上だった。



ヘッドランプは通常のハロゲンタイプ。



ドアロックノブの形状とメッキが昭和を演出している。



ドアノブのメッキもしかり。



目立たないようで目立つ。それがセンチュリー。

引き続きセンチュリー記事3つめをお楽しみ下さい↓
センチュリーで行くトヨタ歴史の旅(3) - Yの王宮