ミュー90という名の筆記具


今回は先頃復刻&リデザインされたPilot社のμ90という名の万年筆の紹介。
このμ90、写真をみていただければ分かる通り、ペン先とペン軸が一体化しています。オリジナル版の発売は70年代だったとのことで、レトロフューチャーともいえる未来的なデザインが魅力です。ヨーロッパ圏ではこのデザインがやたらウケてオリジナル品は高値で取引されているとか。確かにこんなアイデアの万年筆ってあるようでないもの。ちなみにパイロット社90周年なのでμ90ですね。



さて、肝心の書き味ですが、意外や意外、ずいぶん滑らかで、ガリガリする事なんて無くするするとインクが出てきます。買ったお店で好みの感じに調整してもらったので、その影響かもしれませんが、それほどガチガチに固いニブではないと思います。でもこれは入れるインク、紙でも大きく変わって来るのが面白い所でもあります。



非常に短いデザイン(これも70年代に国産万年筆で流行った)でポケットにもいれやすく、携帯性もかなりいい。でもキャップに埋め込まれている青い人工石は邪魔以外の何者でもない。その部分だけ仮面ライダーみたいなやすっぽい印象を受けてしまう。あとクリップ部分はバフ仕上げしないでステンレスへアライン処理の質感で全部統一してほしかった。ここも安っぽくなってしまって残念。


というわけで長大なキャップは除いて、半分から前のデザインを楽しむペン、です。