世界の斜塔から

ジャンプ放送局のネタハガキで【『世界の斜塔から』本日はピサの斜塔をお送りいたします。本日で番組は最終回です。】というものがありましたが、これ、実はボローニャにもあるんですね。それがボローニャの斜塔です。


こちら。後ろに下がれない状況で、斜塔感を出すためには最低20mm以上の広角レンズが必要。なので概算55mmのこちらのレンズではそれほど斜塔感がお伝えできないかと思いますが、かなり斜ってます。


そんなボローニャにひっそりある斜塔を堪能したあとは本家の斜塔に!
ボローニャからピサへ移動。道はとてもいいものの、この移動は約200kmと結構長め。ですが周りの車が非常に高性能でそれに合わせていたらあっという間に着いてしました。そんななかフィレンツェ付近で迎撃を受けたFIAT500の高性能仕様『AVARTH』との直接対決ではあっさりと抜かされてしまいましたので、ヤツは相当なスピード出せますね。



ちょいとサービスエリアで休憩。イタリアは本当にコーヒーは安い。これも1.2ユーロ。



ピサに着きました。その前に市街地エリアの外の無料で駐車できる場所に駐車。ちょうど何でも揃うスーパーPAMを発見したので飲み物を調達して斜塔りましょう。斜塔のあるところは市街地エリアから結構離れてます。普通、街のど真ん中にドゥオーモ(教会)があるイタリアでは珍しいのです。



離れて建てられている理由は都市構造上の問題。建設時ピサの中心部にはもはやこれだけどでかいものを建てるスペースがすでになく、街のはずれに外壁を作りなおして建てたため。そのためイタリアの各都市にあるドゥオーモに比べてゆったりとした敷地に建てられているいわば郊外型のドゥオモです。



ピサの斜塔は単体で建っているわけではなく、洗礼堂、大聖堂、斜塔で1セットです。一般的なドゥオモセットと同じですね。



この大聖堂が建てられた時代の空気感や背景について、またピサの歴史については講談社から出ている『チェーザレ』を読めば非常によくわかると思います。全編にわたりピサが舞台になっており、ちょっと異常なくらい緻密な史実考証と内容の濃さに圧倒される素晴らしい漫画です。特に大聖堂については7巻に詳しく載っており、ここに祀られているハインリヒ7世皇帝の墓の意味と教皇の関係性について仮説を駆使して説明しており、これは殊の外スッと入ってくると思います。さすがルネッサンス時代、ローマ帝国がいかに偉大だったのか、わかるエピソードです。


あと、この項を調べていて気づいたのですが、教皇ラテン語はpapaで、パパの語源になっているという説があるんですね。面白い。



こちらが洗礼堂です。三つの建物の中で最も新しく、他の建物と違い、時代の流行りが移り変わった時期に建てられており、下層は古めのロマネスク様
式、上層が尖塔アーチの最新ゴシック様式となっております。



まあそんな説明はよくされるんですけど、とにかく美しいです。普段こうした巨大宗教建築に興味のない人でもこの輝く白さには驚かされると思います。



大聖堂の中に入ってみます。この縞模様のアーチ造詣はイスラム圏からの影響。このあと、7月にたまたま訪れたスペイン・コルドバのメスキータ(700年ごろに建立)がまさにこの様式で上手いこと真似してます。ちなみにチェーザレ7巻を読んだ後には絶対に見ておきたくなるハインリヒ7世の墓とそれを支える12使徒(人間である皇帝のほうが神様より偉く祀られているというスーパー危険思想でありモダニズム)はどこにあるのかさっぱりわかりませんでした。


ちなみにコルドバのメスキータはこちらです。(先行して載せますが、スペイン編もイタリアが終わったらやります…)

似てますよね。



午後のほうが順光で美しいので、一旦外に出てピサの街を歩いてみます。手前のはシビックですね。



お土産物屋にこんなTシャツが売ってました。このグランセフトオート風のTシャツ、結構流行っているみたいで他の観光地でも見かけました。



こちらが外壁。いまだに使われている。



ここだけローマ帝国時代の風呂屋。テルメです。テルマエ・ロマエですね。



暑い日だったので日陰で昼食。



お腹が空いててサラダとパンを撮ったあとは何を食べたのか忘れるほど…



アルノ河の景色。チェーザレで何度もこの景色が出てきますが、今でも若者が座ってだべっている憩いの場です。



ピサは今では小さいながらも大学の街。かのガリレオ・ガリレイもピサ大学で学んだそうです。
そういわれればピサの斜塔での落下実験の話とかよく聞きますよね。あれは創作、という話しらしいですが。ちなみに生まれもピサ。



あまり見かけない珍しいタバコの自販機。タバコについては未だに吸っている人が結構居ます。でも部屋の中はもちろんダメ。なので日本が未だに居酒屋その他でタバコが吸えるというのがとても不思議に感じてます。あと、メンソールの煙草はほぼ売ってません。タイ人もメンソールは涼しいとかいって好きなんだけどね。



さて、戻って参りました。



こちらは大聖堂の裏側です。



順光を受けて、間近で見るピサの斜塔は美しかった。行く前は斜塔でしょ?くらいの感覚ですが、こんなに綺麗にしてあるとは。



しかも予想より斜ってます。



というわけで『世界の斜塔から』本日は予想より綺麗で斜めっている、「ピサの斜塔」をお送り致しました。