鉄道博物館考(2)怒濤の車両展示 ここはダラスの航空宇宙博物館別館か?

前項でも紹介しましたが、それほど車両展示は多くなかった交通博物館と比べて、鉄道博物館には非常にたくさんの車両が展示されております。
そのなかでも興味を引きまくった車両と展示方法をご紹介。




一号機関車と島原鉄道植木社長による「惜別感無量」プレート。
この1号機関車は日本の鉄道初開業に際して英国から輸入された5形式10輌のうちの1輌で、1871年イギリス・バルカン・ファンドリー社製。のちに島原鉄道に譲渡されました。その後は島原鉄道の主力機関車として活躍し、昭和初期にわが国最初の機関車を後世に残そうとする気運が盛り上がり、鉄道省島原鉄道と交渉を開始。営業中の機関車を譲渡するのはちょっと・・・と色々ごねた結果、島原鉄道に代替機関車を渡すことで交渉が成立し、無事に返還されることになったそうです。開業時から島原鉄道を支えてくれたこの機関車には植木社長自ら強い思い入れがあったようで、自ら筆を取ったのが「惜別感無量」の銘板を取り付けられた形で返還され、今に至っているようです。この機関車は交通博物館でも見ることが出来ましたが綺麗に手入れされて鉄道博物館に移管されています。ちょうど交通博物館が閉館されるときにもこの銘板を見てまさに惜別感無量!って感じでしたので、再会できて嬉しい限り。


ただ、なんで惜別で改行せずに惜別感無量と続けてしまったのか、それは謎です。



鉄道開業当時の取り扱い荷物。そのころ日本にいかに産業がなかったのか伝わって来ます。



ジョン万次郎と勝海舟の鉄道の絵。ジョン万次郎の絵のTEKITOーっぷりがいい感じです。それに比べて勝海舟は若干絵心があったような。
レイロウとはもちろんRail roadのことでしょうね。

こちらは東京名所競の上野駅。機関車の前部の形状はどうしちゃったんでしょうか。書き慣れていなかったんでしょうかね。


「ナデ6110形式電車 車号ナデ6141」(1914年製造)
鉄道記念物
国産最古のボギー台車式大型電車。東京地区で使用された。




内装は大正レトロですが、ロングシートですし、それほど今の車両と変わりません。
両端に運転席があり、使い勝手も良さそう。


「オハ31形式客車」(1927年製造) 初の鋼製客車として製造された標準的な17m級客車。内装は木造。


国鉄を引退後、津軽鉄道に払い下げられて使用されていたため、津軽鉄道名物、ストーブが取り付けられています。このストーブ一つだけではどうにも心許ないですが、木製の内装は昭和初期の客車の匂いを十分今に伝えています。天井部分にあえて飾り棚の装飾をしているのがおしゃれです。



「クモハ40形式電車」(1936年製造) 3扉ロングシート車で戦前を代表する通勤車両。
3扉ロングシート!ココまで来るといまの通勤列車とそれほど変わらない環境になりますね。

溶接ではなくリベット打ちなので、今の車両とは全く違う印象を受けますね。

とても天井が広い印象です。


この非常用のコックの表記などはちょっと前まで全く同じでしたので、見覚えがありますよね。



「キハ41000形式気動車 車号キハ41307」(1933年製造)
初の本格的な大型ガソリンカー。国鉄で廃車後、遠州鉄道筑波鉄道などで使用。と、ありますが、すでにこちらはより出力の大きいディーゼルエンジンに換装されております。


機械式というと車でいうところのMTですが、こちらの運転席を見ると普通のマスコンハンドルのようですが、どうやって運転したんでしょうか。